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当館の矢後勝也講師(昆虫自然史学)が、日本昆虫学会の2026年度「論文賞」を受賞しました。この賞は、同学会が発行する学術誌 Entomological Science(英文誌)または昆蟲(ニューシリーズ)(和文誌)の前年度の巻に掲載された優れた研究論文を顕彰するものです。今回の受賞対象は、北海道大学の研究チームとの共同研究による論文「Wing base morphology supports paraphyly of Papilionoidea s.s. (Lepidoptera)」です。
従来、チョウ類はアゲハチョウ上科、セセリチョウ上科、シャクガモドキ上科の3上科に分類されてきました。しかし、近年の分子系統学的研究により、アゲハチョウ科が他のすべてのチョウ類の姉妹群に位置づけられ、セセリチョウ科とシャクガモドキ科が姉妹群関係となることが示されました。この系統関係では、従来のアゲハチョウ上科が側系統群となることから、セセリチョウ科とシャクガモドキ科を含むすべてのチョウ類を広義のアゲハチョウ上科にまとめる分類体系が提唱されました。
今回の受賞論文では、チョウ類の翅基部の微細な形態構造に基づいて系統解析を行うことで、従来のアゲハチョウ上科の側系統性と、セセリチョウ科・シャクガモドキ科の姉妹群関係を支持する形態学的証拠を初めて示しました。本研究は、分子系統解析によって明らかにされてきたチョウ類の進化系統関係を形態学的な観点から裏付けるものであり、チョウ類の高次分類体系と形態進化の理解に貢献する成果となります。
受賞論文の概要および本文は、以下のリンクからご覧いただけます(本文閲覧は有料)。


