東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo
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・ 問題解決:利用動線の開放
・ 価値創造:自由空間の提案
  わたしのデザインを支えているのは、この2点です。つまり、訪れる人が、建築物の構造に縛られることなく自由に見て回れること、そして、既存のミュージアムには珍しい球という新しい空間を提案することが、今回のデザインの主軸となっています。
  「未完成でありながら、同時に発展可能性を内在した建築」を目指し、立地場所・利用動線にとらわれず、利用形態の多様性を大いに秘めた空間構成を模索するうえで大切にしたのは、「楽しむ」ということです。子どもは子どもの視点で、大人は時に子どもの視点に返って、箱物と言われてきたミュージアムを楽しむには、どんな新しさが必要なのか。考え続けて生まれたのが、幅・高さ・奥行きにとらわれない完全な形、すなわち球でした。
  これまでにない斬新さを求め、球そのものの構造にもこだわりました。まず、構成要素にやわらかいチューブ素材で作られた輪を採用することで、ミュージアムを配置したい場所で簡単に組み立てられるようにしました。さらに、内部を仕切る壁、外部と内部を仕切る扉といった遮断要因をすべて排除することで、風や音、雨や光といった自然環境との融合が可能になるよう工夫しました。
  人々が輪をつなぎ、開かれた自由空間つまり球形ミュージアムを完成させる過程、さらに、適地適合の展示を考案・実践・鑑賞する3つの過程を、ひとりひとり(yourselves)が最大限に楽しめる(enjoy)ような、進化し続ける移動ミュージアムとして受け入れられることを願っています。
・ incomplete=free to move, use, …∞
・ museum=enjoy making, thinking, playing …∞


Enjoy yourselves !


文学部行動文化学科心理学専修3年  伏木田稚子