東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo
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ごあいさつ


 昔、学校の夏休みの宿題に昆虫採集や植物採集をした経験はおありでしょうか。植物を乾かす新聞紙の交換を忘れてカビを生やしたり、せっかく作った昆虫標本をゴキブリに食べられたりといった経験をお持ちの方も多いことと思います。
 加藤正世は、大正から昭和にかけて活躍した「セミ博士」として有名ですが、セミだけではなく、昆虫全般さらには植物についても造詣が深く、一般書や雑誌を通してその知識の普及に努めました。昭和の初期、一大昆虫ブームが起こりましたが、その仕掛け人の一人が加藤正世なのです。
 加藤が残した標本は膨大です。セミ類を含む半翅目はもとより、チョウ類、甲虫類などの昆虫類、クモ類、甲殻類、あるいは鳥類、爬虫類、ほ乳類、貝類の標本も多数収集しています。特筆すべきは植物標本で、幼少期から青年期までを過ごした東京・芝、大正末から昭和初期を過ごした台湾、帰国後に暮らした東京・石神井公園などで数多くの標本を採集しています。
 現在、練馬区立石神井公園ふるさと文化館にて加藤正世の昆虫コレクションに焦点を当てた「蝉類博物館」展が行われています。そこで、東京大学総合研究博物館小石川分館では、本館で実施しているリカレント教育事業「学芸員専修コース」の一環として、加藤の昆虫以外のコレクションを中心とした共同企画展示を同時開催することとなりました。
 身の周りにある自然への好奇心、新しいものを手に入れたときの感動を持ち続けた一人のコレクターによって採集された標本の数々をご覧ください。そして、ともすれば日常の忙しさで忘れかけている、子どもの頃に持っていた好奇心を思い起こしていただければ光栄です。

池田 博(東京大学総合研究博物館・准教授)
矢後 勝也(東京大学総合研究博物館・助教)


平成27年度「学芸員専修コース」共同企画展示
セミ博士の別室ーー加藤正世博物学コレクション

開催期間:2015年11月14日(土)−11月30日(月)
開催場所:東京大学総合研究博物館小石川分館
     東京都文京区白山3−7−1
開館時間:10時−16時30分(入館は16時まで)
アクセス:地下鉄丸ノ内線茗荷谷駅より徒歩8 分
休館日:11月16日(月)−18日(水)、24日(火)、25日(水)
入館料:無料
ハローダイヤル:03-5777-8600
主催:東京大学総合研究博物館

平成27年度「学芸員専修コース」
実施要領と日程
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/education/curator_2015.html

展示ポスター
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2015Semihakase.pdf

展示制作:
 小煬h寛(制作リーダー)、石橋健太郎、内舩俊樹、金杉隆雄、木下佐和子、
 久保 泰、中村 玲、深見和子、山本伸子、伊藤勇人、庄 海玲
制作指揮:
  池田 博、矢後勝也
総合講評:
  西野嘉章
講師:
  松本文夫、関岡裕之、鶴見英成、佐々木猛智、新原隆史、宮本英昭
制作補助・協力:
  中坪啓人、阿部聡子、清水晶子、坂本真理子、赤司千恵、上野恵理子


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