東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo
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円筒下層式土器
青森県三内丸山遺跡、縄文時代前期
青森県教育庁文化財保護課 所蔵


火焔土器(重要文化財)→詳細new
新潟県馬高遺跡、縄文時代中期
長岡市馬高縄文館 所蔵


『燃える柴』の祭壇画
フランス サン=ソヴール大聖堂、ニコラ・フラマン作


木乃伊
エジプト末期王朝
東京大学 医学部標本室 所蔵


ケサイ下顎骨・上顎骨
ロシア ボハン出土、 本館 所蔵


漆容器
東京都下宅部遺跡、縄文時代
東村山ふるさと歴史館 所蔵



『アルケオメトリア(Archaeometria)
−考古遺物と美術工芸品を科学の眼で透かし見る−』

吉田邦夫

考古遺物や美術工芸品は、その姿かたちと共に、年代が重要な意味を持っている。幸い、炭素を含んでいる時には、放射性炭素年代測定法(14C年代測定法)によって、数万年前の年代まで決めることが出来る。14Cは放射性元素なので、およそ五千年で半分になるように規則正しく壊れていく。これを時計として使うのである。加速器質量分析法(AMS法)を使えば、炭素として千分の一グラムもあれば十分に測定できる。
遺物などを、科学の眼で透かし見ると、年代だけでなく、いろいろなことがわかってくる。例えば、同位体(アイソトープ)をツールとして使うと、縄文人の食卓を想像することが出来るし、漆製品に使われた漆液が、日本列島産であるか、大陸産であるかを推定することも可能である。
また、基底材と表面の構造を、X線CTや、薄片観察、レプリカ法で分析することによって、土器や漆製品の製作技法に迫ることも出来る。
このように、科学の眼で見ると、思いもかけないことがわかってくることがある。
つまり、科学の眼で透かし見ると、遺物などを構成する物質の種類や組成、内部構造を明らかにするだけでなく、得られた情報をもとにして、もの作り、暮らしや食生活など、文化や自然環境を解明することが出来るのである。理化学分析は、むしろ逆に、ヒトの文化と環境を探るために、企図されていると言った方がいいかも知れない。
展示では、華麗な考古遺物や美術工芸品を鑑賞しながら、科学の眼で透かし見た結果を楽しんで頂きたい。
(本館教授、年代学・考古科学)

開催期間
2012年3月3日(土)〜2012年6月17日(日)

休館日
月曜日(ただし、4/30は開館)、5/1

開館時間
10:00〜17:00(ただし、入館は16:30まで)

会場
東京大学総合研究博物館(東京大学本郷キャンパス内) MAP
東京都文京区本郷7-3-1
地下鉄丸ノ内線・大江戸線本郷三丁目駅下車、徒歩7分

入館料
無料

主催
東京大学総合研究博物館

協力組織・個人
ロシア国立イルクーツク大学、ロシア国立歴史博物館、東京大学東洋文化研究所、東京大学附属図書館、新潟大学旭町学術資料展示館、北海道大学アイヌ・先住民研究センター、慶應義塾大学民族学考古学研究室、國學院大學学術資料館研究室、帝京大学山梨文化財研究所、明治大学博物館、明治大学日本先史文化研究所、明治大学理工学部宮腰・本多研究室、青森県教育庁 文化財保護課、市原市埋蔵文化財調査センター、岩手県教育委員会、魚沼市教育委員会、浦添市美術館、桶川市教育委員会、柏崎市教育委員会、九州国立博物館、群馬県埋蔵文化財調査センター、佐渡市教育委員会、三条市、上越市教育委員会、胎内市教育委員会、高崎市教育委員会、津久見市教育委員会、津南町教育委員会、十日町市博物館、鳥取県埋蔵文化財センター、長岡市馬高縄文館、長岡市立科学博物館、長岡市教育委員会、長野県立歴史館、新潟県教育委員会、(財)新潟県埋蔵文化財調査事業団、新潟県立歴史博物館、函館市教育委員会、八戸市是川縄文館、東村山ふるさと歴史館 、福井県立若狭歴史民俗資料館、三島町教育委員会、南魚沼市教育委員会、村上市教育委員会、盛岡市遺跡の学び館、山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館、神谷 嘉美、神林 修、捧 正夫、宮里 正子 (浦添市美術館長)、山田 洋三
協力会社
朝日新聞社、株式会社加速器分析研究所、株式会社キーエンス、有限会社光信理化学製作所、ジャスコインターナショナル株式会社、株式会社ソフテックス、伯東株式会社、パリノ・サーヴェイ株式会社、株式会社 パレオ・ラボ、ビストロ さて

ニュース記事掲載等
週刊新潮 3月22日号(3月15日発売)「ガイド/アーツ」欄 123ページ
日経サイエンス 5月号(3月24日発売)「Information 企画展・特別展」欄 に掲載。
毎日新聞 4月5日夕刊文化欄に掲載 「科学の目で見る考古・美術品展」



展示イメージスケッチ 洪恒夫(本館特任教授、展示デザイン)




中央アイランド展示台イメージスケッチ 洪恒夫(本館特任教授、展示デザイン)




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