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長いあいだ動物の野外研究は双眼鏡と野帳でおこなわれてきた。野生動物研究者は 近代的な機器類とは無縁であるかの如き存在と見られることもあり、それでよしとされる空気さえあった。そこには、素朴な機器類に頼るよりも健康な脚と鋭い観察眼こそ野生動物をとらえることのできる最良の道具であらねばならないという信念のようなものがあった。そして多感で鋭敏な感性をそなえたすぐれた研究者がいたことも事実であった。

しかしそこに限界があったこともまた確かであった。哺乳類は夜行性のものが多い。また鳥類は飛翔力にすぐれている。どのようにがんばっても人間の努力でどうにも知ることのできない領域が厳然と存在した。

現代の機器類の発達は、このような分野へも積極的な展開を見せるようになった。たとえば1000kmを越えるような大規模な渡りをする鳥類に電波発信器をつけ、それを衛星で受信すれば、研究室にいながらにして渡りのルートをリアルタイムで知ることができるという、まさに夢のようなことが可能になった。また山の中にカメラをセットしておけば暗闇を歩く野生動物の写真を撮影することが可能となった。今回の展示では、野生動物を追おうとする研究者たちが使っている捕獲装置、追跡装置、自動撮影装置などやその成果を紹介し、野生動物の野外研究の前線の雰囲気を伝えたい。


骨で作ったクマの頭
(トコロチャシ跡遺跡、オホーツク文化期)


東京大学コレクション XIII

特別展示

「北の異界 オホーツクと氷民文化」

会期:2002年05月18日 〜2002年07月14日

 

図録

ウロボロス記事 「常呂の東京大学〜ところ遺跡の森」

ウロボロス記事 「北海道常呂町、オホーツク文化集落遺跡の調査」