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東京大学創立百二十周年を記念して開かれる本展「学問のアルケオロジー」は、学内各所に残されている古い学術標本を一堂に集めて展示し、そのことを以て黎明期の大学における学問の歩みを包括的に振り返ることを眼目とする。近代国家の形成の過程で西欧から将来された諸学が日本社会のなかでどのような役割を担い、またそれらがどのような発展の軌跡を辿ってきたのか。二十一世紀の到来を目前にしたいまこそ、そのことに改めて想いを致してみる絶好の機会なのではないか。というより、その軌跡に連なる様々な遺産の何たるかを今ここで確認しておくことは、来るべき学問の将来を見据える上で必要にして不可欠なことなのではないだろうか。

本展では明治期のものを中心に二千点以上の学術標本を目録化し、安田講堂での展示へ供することにした。総数六百万点のなかの二千点、ということからすれば誠に微々たる数に過ぎない。しかし見方を換えるなら、近代社会の形成に直接であれ間接であれ寄与した歴史的な学術遺産が、いまなおそれだけ学内に残されているということでもある。

東京大学展図録「第一部 学問のアルケオロジー」より



東京大学コレクション VI

東京大学創立120周年記念「東京大学」展

「学問の過去・現在・未来 第1部 学問のアルケオロジー」

会期:1997年10月16日 〜1997年12月14日

 

図録 「東京大学展」

図録 「学問のアルケオロジー」