東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
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博物館工学ゼミナール ミュージアム建築ワークショップ

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テーマ: 「MUSEUM 2 ――次世代ミュージアムのビジョンを求めて
このゼミでは、ミュージアム建築の新たな可能性を多様な視点から検討し、そのデザイン構想を具体的なカタチにすることを目標にしている。ミュージアムに関する現状把握を出発点としながらも、既成概念にとらわれない自由な発想で次世代ビジョンを描いていきたい。 ゼミは「ラボ」(調査立案)と「スタジオ」(デザイン制作)という2つのパートから構成され、理論的かつ実践的に研究を行う。
 














■講義情報
講義題目 博物館工学ゼミナール ミュージアム建築ワークショップ班
履修対象 学部3年以上 (主として文学部、大学院人文社会系研究科)
代表教員 西野嘉章 (総合研究博物館教授)
担当教員 松本文夫 (総合研究博物館客員助教授)
講義日時 毎週木曜日 17時10分〜18時40分 (通年)
講義会場 総合研究博物館小石川分館1階演習室
〒112-0001東京都文京区白山 3-7-1

■講義概要 テーマ: 「MUSEUM 2 ――次世代ミュージアムのビジョンを求めて」
 年間を通して次世代ミュージアム建築の新しいビジョンを追究しつつ、夏学期では特にミュージアムの固有性と独自性に着目した構想を、冬学期ではミュージアムの総合と連携の可能性にシフトした構想を立案することを試みる。
  ゼミは「ラボ」と「スタジオ」という2つのパートで構成される。調査立案を中心とした「ラボ」では、各人が設定するテーマについての調査結果を発表し、全員で議論することでミュージアムの問題領域を多面的に共有する。デザイン制作を中心とした「スタジオ」では、ラボで検討した様々なアイディアを活かしながら、MUSEUM 2の構想を具体的なカタチに収斂させる。スタジオの成果は模型や見取図等の制作物としてとりまとめ、各学期末に発表・講評会を行う。もとよりラボとスタジオは相互補完的なものであり、デザインのための継続的な問題意識を持つことが最も重要である。 なお、冬学期には海外大学の建築デザイン・スタジオとの協働型ワークショップを行うことも予定している。
  ゼミのプロセスや課題作品は博物館のウェブサイトで公開していく予定である。 受講者に建築的な専門知識や模型制作の経験は必要とされないが、デザインへの幅広い関心とモノつくりへの旺盛な意欲をもつことが望まれる。なお、夏学期の冒頭には、建築についての概論的な集中講義を行う。

■夏学期スタジオ課題テーマ: 
X-specific
1.概要: 「何かに特化したミュージアム」をデザインする。 表題の "X" とは、あなたのミュージアムを特徴づける固有のテーマである。このミュージアムは、必ずしも総花的・網羅的・汎用的である必要はない。特化すべきテーマXとして考えられるのは、ミュージアムが扱う対象分野、展示手法や企画の切り口、時間・場所・人間の条件といったものである。ミュージアムの企画構想のみならず、建築空間もXとの関連において検討し独創性のある提案を行う。
2.建築条件: 
・建築物の容積は300立方メートル以内とする。(面積ではなく容積なので注意)※
・ミュージアムの立地場所は自由に決めること。
・ミュージアムの外部形態、空間構成、利用動線は自由に決めること。
・ミュージアムの運営形態の提案を含んでもよい。
※容積とは建築物の床・壁・天井等で囲まれた 内部空間の体積を意味し、空間内に中間床等 がある場合はそのフトコロ体積も含むものとする。
3.提出物:
1)模型(縮尺1:50)・・建築の外観と内観がわかるもの
2)図面:見取り図(平面図、断面図等、縮尺1:100)、パース等
3)文章:タイトル、コンセプト説明
※図面と文章はA3用紙2枚以内にまとめ、コピーを5部提出する。
4.発表日:  
7月13日(木) 17:10〜19:00
発表・講評時間は、1人あたり約15分とする(発表7分、講評8分程度)
提出作品を見る

■冬学期スタジオ課題テーマ: 
Tokyo Space Collection 
1.概要: 東京の「空間コレクション」を収集すること、その空間コレクション群を建築として再構築することが 本課題の趣旨である。ミュージアム・コレクションの多くは、空間的状況から切り離された単独 アイテムとして扱われている。これは収集・分類・保存のためには有効な手法であるが、一方で 空間との関係が切断されることによって少なからぬ存在上の欠落が生じている。 ミュージアムにおいて「空間」はコレクションの対象に含みうるのか? 
本課題は、ミュージアムのコレクションを空間ごと取得すること、ないしは空間そのものをコレクション にすることによって、何が達成できるかを実験試行するものである。
参加者は特定の着眼点または自身の関心に従って東京の様々な空間を記録・収集する。
写真・スケッチ・図面などの方法で収集された空間を一堂に集め、グループ討議を経てそれらを 一つの建築物として再構築することが求められる。都市空間の単なるドキュメンテーション(記録) ではなく、何らかの都市のリプレゼンテーション(表象)として再創造されることを期待する。
2.取組体制: ゼミ参加者を2グループに分ける予定。
3.取材場所: 空間コレクションの取材場所は東京23区内とする。取材場所は限定エリアにフォーカスしてもよいし、 何らかのテーマをもとに広いエリアを対象としてもよい。具体的な取材場所および取材方針などは グループで話し合って決めること。

4.提出物:  
1)建築物の模型
・模型のベースの大きさはB2サイズ(515mm×728mm)とする。
・縮尺は1:50を基準とする。ただし、収集された空間をすべて1:50(同一縮尺)で再現する
 ことを必ずしも意味しない。総体としての建築模型の縮尺を1:50と想定すればよい。
・模型の高さは地盤から450mm以下とする。階数の制限は無い。
・模型の材料、表現等は自由とする。
2)計画趣旨を記したハンドアウト
・計画案の趣旨をA3紙2枚以内に記して準備すること。部数は後日指示する。
・テキストのほかに図面やダイアグラムを含めてもよい(任意)。
5.補足説明: 
ある種の「空間コラージュ」をつくる課題である。コラージュは通常2次元で行われることが
多いが、この課題で挑戦するのは3次元的/立体的なコラージュである。空間およびそこに
含まれる存在物(空間だけでも可)がコラージュの素材となる。空間再構築の手法は色々
ありうる。並置、連結、重合、挿入、包含、反転、置換、拡大、縮小、反復、回転・・・。
スケールの扱いも自由であろう。建築的な機能・動線・構造をきちんと納めることよりも、
立体造形表現を優先してよい。再構築作業に際して空間操作の基本コンセプトを設けるのか
あるいは思いのままに自由に組み上げるのか、この辺は参加者の判断に委ねられる。
制作された作品は博物館のホームページに掲出する予定である。
6.
発表日:  2007年1月11日(木)17時より、小石川分館演習室にて
提出作品を見る


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