東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo
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博物館工学ゼミナール ミュージアム建築ワークショップ

冬学期課題: Tokyo Space Collection   
東京の「空間コレクション」を収集すること、その空間コレクション群を建築として再構築することが 本課題の趣旨である。
ミュージアム・コレクションの多くは、空間的状況から切り離された単独 アイテムとして扱われている。これは収集・分類・保存のためには有効な手法であるが、一方で 空間との関係が切断されることによって少なからぬ存在上の欠落が生じている。 ミュージアムにおいて「空間」はコレクションの対象に含みうるのか? 
本課題は、ミュージアムのコレクションを空間ごと取得すること、ないしは空間そのものをコレクション にすることによって、何が達成できるかを実験試行するものである。 参加者は特定の着眼点または自身の関心に従って東京の様々な空間を記録・収集する。
写真・スケッチ・図面などの方法で収集された空間を一堂に集め、グループ討議を経てそれらを 一つの建築物として再構築することが求められる。都市空間の単なるドキュメンテーション(記録) ではなく、何らかの都市のリプレゼンテーション(表象)として再創造されることを期待する。
課題詳細



作品 (画像をクリックすると拡大画像を表示)

EXPANDING SPACE COLLECTION   田中旭、野口翠、三宅麻未、森拓馬

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1つの場所にいながら複数の空間を集約的にとらえることは可能だろうか。空間のCollectは可能だろうか。
・ ・・・・・鏡を使えば可能である。
この企画は、鏡に映し出された鏡像空間の集約的なCollectを建築という形で表現することを目的とする。
これを以下に示される2つの方法で試みたい。

Evolve 外に広がりを持つ空間
  2つの鏡を利用し、対象を二重に反射させる。
  これにより、閉鎖的な空間の中で通常とは全く異なった視覚的体験を味わうことができる。
  つまり正面を見ながらにして、外に広がる空間を俯瞰した感覚の体験が可能ということである。
  1つの場所にいながら、上から見下ろした感覚の空間をCollectしている。
Involve 内に広がりを持つ空間
  向き合わされた鏡に映し出された空間は内部に無限に広がっていく。
  壁面がすべて鏡でできているならば、その内部空間に立ってみると、閉鎖的ながらも永遠に広がる空間を味わうことができよう。
  1つの場所にいながら、無限に広がる空間をCollectしている。

これら2つの方法と、建築物の独特なフォルムによって、複数の空間を集約的にCollectすることは可能である。


PESTER  大久保遼、大隈亮、奥田大介、玄宇民

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concept
東京のスペースをつくる枠
“東京”という都市が多くのスペースの集合体だとするならば、そのスペースを区画する汎用的なフォーマットの一つは、そこを走る道路網であろう。それは東京という全域を、小房に隈無く枠付けている。 このpestarは、東京のスペースのコレクションという課題に対し、東京を各スペースにふちどっている枠である道路の使用することによって、それに一つの解決をもたらそうとするものである。

how to make
都市をめくる  
中心となる一つの通りを軸として、周辺一帯の道路網に沿って都市を切り取り、めくりあげ立てる。
道路の水平な延長  
立てた道路を、その形に従って水平方向に延長する。
ユニットの接合  
如上の行程で構成されたユニットを、軸にした道路によって接合する。

description
可視的な東京の空間  
本来伏在し、複雑に混んだ建造物を伴って鳥瞰することでしか見ることのできない東京の空間を可視化する。
“東京”に接近する建築
“東京”はそこに包含されるスペースの集合体であり、それらスペース全体で、“東京”を一つ形作っている。すなわちそのスペースを分断することは、全体での一つの“東京”という存在からの離反である。よって本建築は分断したスペースを複数接合することにより、より本来の“東京”に接近していくものである。

units
unitT 東京駅周辺エリア
unitN 人形町周辺エリア


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