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    日本式双晶の水晶、山梨県乙女鉱山、幅60cm(4103886)

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水晶の日本式双晶

水晶の六角柱状大型結晶群の中に、ひときわ大きい平板状の結晶がある。これは2個体の水晶が1つの結晶面を共有し、84°34′傾いて接合した日本式双晶である。山梨県乙女鉱山は花崗岩ペグマタイトに産する水晶を採掘し光学ガラスなどの原料としていた鉱山で、本標本のように大きな日本式双晶で世界的に知られている。この双晶が文献でJapan law twin(日本式双晶)と表現されるようになったのは1900年以降のことで、当時、日本産の双晶が広く知られ研究されていたため、このように呼ばれるようになったようである。日本式双晶が生じる仕組みはまだ解明されていない。 (清田 馨)