東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo

 
空間博物学の新展開UMUT SPATIUM
2021年12月16日より一般公開を開始します (木曜日・金曜日開館、事前予約制)

空間のコレクションから新たな空間の創出へ 
「空間」は世界を成立させ、私たちが存在する基盤となる形式である。しかし空間という言葉が意味するものは一様ではなく、これまでにさまざまな空間概念が存在してきた。空間のあり方を大別すれば、「場所、広がり、関係」としての空間が考えられる。「場所としての空間」はアリストテレスのトポスに由来する局所的な空間である。「広がりとしての空間」はデカルト座標系によって定められる無限に広がる均質な空間である。「関係としての空間」は物理的な一体性を必須としないネットワーク型の空間である。場所、広がり、関係という空間概念の拡張は、現代社会における「人間と空間」の関わりの多様性にも深く関係している。
 建築学の分野では、ユニヴァーサル・スペースの理念が20世紀に生まれ、オフィスや学校といった「建築類型」に基づく計画が行われてきた。近年のコロナ禍を経て、人間どうしの「近接性」のあり方が変化しつつある。既成の建築類型を必ずしも前提としない、より小さな空間類型の有機的な連携にも新しい可能性が見出せる。
 一方、博物学の分野では、空間は収集の対象になってこなかった。学術研究で扱われる標本はモノであって空間ではない。標本の多くは空間から引き離されてモノ自体として保存される。博物学では自然は動物界・植物界・鉱物界に分類されたが、それが属する空間はむしろ捨象される側にあった。空間という不定形な対象を捕捉し、人間が体験するさまざまな空間を収集し、今後の研究やデザインに活かすこと。これは博物学の新たな課題の一つと考えることができる。
 特別展示『空間博物学の新展開/UMUT SPATIUM』は、建築や都市の空間を収集保存し、今後の新しい空間創出に結びつけること企図している。総合研究博物館では、これまで小石川分館を中心に建築学コレクションを形成してきた。旧東京医学校本館を前身とする小石川分館は、2020年の耐震基礎診断によって耐震性能が不十分である可能性が判明し、2021年1月から休館している。本展示では、小石川分館の常設展示『建築博物誌/アーキテクトニカ』の展示資源を活用しつつ、建築模型や映像作品の新規制作を通してコンテンツの新しい流れを組み立て、空間博物学の方向性を提起することを目指している。

展示リーフレット(PDF)


展示ツアー
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当展示の企画を担当した松本文夫特任教授の案内による展示ツアーを行います。所要時間は約50分です。
ホームページの「入館手続き」より入館予約をしていただければ、どなたでもご参加いただけます。
 2021年12月17日(金) 14:30- 終了
 2021年12月24日(金) 14:30- 終了
 2022年1月6日(木) 10:00- 終了
 2022年1月13日(木)14:30-
 2022年1月21日(金)14:30-
 2022年1月27日(木)14:30-
この後も展示案内の機会を設ける予定です。


基本情報

展示名称 : 特別展示『空間博物学の新展開/UMUT SPATIUM 』
展示会期 : 2021.11.11より学内限定公開、2021.12.16より一般公開、終期未定
展示会場 : 東京大学総合研究博物館 本郷本館
所在地 : 東京都文京区本郷7-3-1
交通: 地下鉄丸ノ内線・大江戸線「本郷三丁目」駅より徒歩
地図: http://www.um.u-tokyo.ac.jp/information/map.html
開館日 :
木曜日、金曜日(休日と重なる場合は振替はしない)
開館時間 : 10:00–16:00(入館手続きのページから事前予約)
入館料 : 無料
電話 : 050-5541-8600(ハローダイヤル)
ホームページ : http://www.um.u-tokyo.ac.jp/spatium/
主催 : 東京大学総合研究博物館
協力 : IARU-国際研究型大学連合、株式会社クリモト


展示制作者/協力者
展示企画/構成/デザイン : 松本文夫(東京大学総合研究博物館 特任教授)
小石川分館 : 鶴見英成(東京大学総合研究博物館 助教)
   永井慧彦(東京大学総合研究博物館 特任研究員)
3DVR製作 : 徳永雄太(ARCHI HATCH株式会社)
3Dプリント模型製作 : 栗本英年、加藤嘉晴、藤本聡(株式会社クリモト)
3Dモデリング : 小林友喜、山口湧太、田崎祥、伊室武、阿部公平
レンダリング協力 : 徐佳凝
ネットワーク協力 : 森洋久
モデラー : ジョヴァンニ・サッキ、阿部貴日呼(teco)、横塚和則(アールイコール)
建築模型製作 : 東京大学模型制作ゼミ(2008-2021)
三室志帆、木島凪沙、黄夢甜、松田道樹、寒川湧太、金子照由、西村若奈、山口礼、今枝秀二噤A平山貴大、孫ケイエイ、宮本隆子、常松祐介、何瑶、楊光耀、キョウキンケツ、横山由佳、内倉悠、谷繁玲央、二上和也、高原柚、井関瑞生、平賀美沙、向後美穂、森健祐、吉岡七海、西田静、坂口杏、二宮優子、松原浩平、今田翔子、塚原遊尋、千葉拓、有田啓悟、浦田泰河、齋藤悠宇、黒木彩香、北村真実、徳平京、前川智哉、藤堂真也、秋山貴都、伊藤雄太、稲垣拓、汪哲、河合美緒、毛井意子、古地有希、坂井禎介、鈴木崇之、鈴木岳彦、住友恵理、藤井望佐、前川綾音、牧田悠依、一万田知宏、井上真吾、栗生えりな、佐藤研吾、吉里光晴、中島慶吾、松本純一、山岡馨
展示施工 : 株式会社アカシオ


主な展示物
模型
 空間標本 : 建築の構成や形態を示す空間標本の大型模型
 空間編纂 : 世界の有名建築群を同一縮尺で再編成した模型
 空間記録 : 東京大学の歴史的な学校建築の精密な復元模型
 空間収集 : 東京大学の学生らが製作した建築模型のコレクション
映像
 空間紀行 : 世界各地の建築空間を訪ねるスライドショー
 空間動態 : 3DVRで体験する東京大学総合研究博物館小石川分館


会場風景


会場風景


20世紀の建築(公共建築編)


20世紀の建築(住宅建築編)


近接性の空間(社会空間モデル)


小石川分館3DVR

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