大河流域ではなく海洋に沿った山岳地帯を舞台とし、文字や車輪といった基幹的なツールを欠くなど、南米大陸アンデス地域に発祥したアンデス文明は、人類史におけるきわめてユニークな古代文明の事例と言えます。「連続展示 アルパカ×ワタ」は古代の織物を手がかりに、アンデスにおける自然と人間の関わりについての、様々な研究展開を紹介する企画です。当館所蔵の織物資料を5つのテーマに沿って集成し、アルパカ、ワタなどの生物標本とともに、5つの展示を順次開催していきます。
海岸砂漠に埋められていた織物は腐敗せず、良い保存状態で発見されます。織物を詳細に分析できることはアンデス研究の特色です。「アンデス染織の科学 古代織物第2集」展では、染料の同定や織りの技法の解明など、モノとして染織を研究した成果を紹介します。
(本館特任研究員 アンデス考古学・文化人類学)
ウロボロス記事: アルパカ×ワタ アンデスの古代織物第1・2・3集
鶴見英成
主な展示品:
古代アンデス織物(第2集)、実験製作レプリカなど、アルパカ剥製標本・ワタ等植物標本などの生物標本
会期:2011年5月19日(木)〜6月5日(日)
休館:月曜日
開館時間:10:00〜17:00 (入館は16:30まで)
会場:東京大学総合研究博物館2階展示室
入館料:無料
お問合せ:ハローダイヤル03-3272-8600
協力:共立女子大学
関連イベント:
5月28日(土)、於・東京大学総合研究博物館本館
講演:7階ミューズホールにて実施
(事前予約は必要ありませんが、先着順とさせていただきます)。
13:00〜13:15
「奇跡のワードローブ:古代織物の眠るペルー海岸砂漠」
鶴見英成(本館特任研究員)
13:15〜14:15 「世界を巡ったアンデスの赤色染料コチニール」
齊藤昌子(共立女子大学教授)
織りのギャラリートーク: 2階展示会場にて15:00より実施。
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