大河流域ではなく海洋に沿った山岳地帯を舞台とし、文字や車輪といった基幹的なツールを欠くなど、南米大陸アンデス地域に発祥したアンデス文明は、人類史におけるきわめてユニークな古代文明の事例と言えます。「連続展示 アルパカ×ワタ」は古代の織物を手がかりに、アンデスにおける自然と人間の関わりについての、様々な研究展開を紹介する企画です。当館所蔵の織物資料を5つのテーマに沿って集成し、アルパカ、ワタなどの生物標本とともに、5つの展示を順次開催していきます。
標高4000メートル前後の高地には、アルパカとリャマを飼育する人々が住んでいます。どちらもラクダ科動物で、紀元前4000〜3500年ころに人間が家畜化したと考えられています。とくにアルパカの良質な獣毛は染織に多用されました。「アンデス高地に生きる 古代織物第3集」展では獣毛を用いたさまざまな古代織物とともに、先住民の伝統を残す牧民文化の一端を紹介します。
(本館特任研究員 アンデス考古学・文化人類学)
ウロボロス記事: アルパカ×ワタ アンデスの古代織物第1・2・3集
鶴見英成
主な展示品:古代アンデス織物(第3集)、現代アンデス高地の民具(織機、投石紐など)、
アルパカ剥製標本・ワタ等植物標本などの生物標本
会期:2011年6月9日(木)〜6月26日(日)
休館:月曜日
開館時間:10:00〜17:00 (入館は16:30まで)
会場:東京大学総合研究博物館2階展示室
入館料:無料
お問合せ:ハローダイヤル03-3272-8600
協力:共立女子大学
関連イベント:6月19日(日)、於・東京大学総合研究博物館本館
講演:7階ミューズホールにて実施
(事前予約は必要ありませんが、先着順とさせていただきます)。
13:00〜13:10 「雲の上のラクダたち」
鶴見英成(本館特任研究員)
13:10〜14:40 「アンデス牧民の生活と家畜利用:アルパカは癒し系?」
鳥塚あゆち(東海大学大学院研究生)
織りのギャラリートーク: 2階展示会場にて15:00より実施。
「アンデス染織の科学 古代織物第4集」展のページへ
「連続展示 アルパカ×ワタ」のトップページへ
アルパカ剥製標本 現代