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 本展は、東京大学総合研究博物館とのコラボレーションによって実現した、オーストラリアの現代美術家、ケイト・ロードの作品を日本で初めて紹介する展覧会です。会場となる東京大学総合研究博物館小石川分館の展示空間全体を使ったインスタレーションを制作します。ロードは、色鮮やかなフェイクファーや樹脂、フラワーペーパーなどを組み合わせて、動植物をモチーフとした彫刻作品や、バロックやロココ調の部屋やジオラマを思い起こさせるインスタレーションを制作する若手アーティストです。彼女が表現する「ありそうで、ない」動物や、自然物、空間は、ミュージアムの原型と言われる、珍奇なものを蒐集した驚異の部屋=ヴンダーカマー(Wunderkammer)本来の在り方を感じさせます。本展では、東京大学総合研究博物館小石川分館の「驚異の部屋」展(常設展)の中に、東京大学総合研究博物館が所蔵する学術標本と、それにインスピレーションを得て制作される、サイトスペシフィックなロードの新作の数々を織り混ぜたインスタレーションを展開します。明治期に旺盛した擬洋風建築(当時の大工が見よう見まねでつくった洋館風の建物)として国の重要文化財にも指定されている同館の中に、カラフルな小部屋「ケイト・ロードの標本室」が出現し、全体にもロードの小作品や学術標本が散りばめられることで、展示空間は歴史と現代が入り混じる重層した世界へと様変わりします。