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本学の理学部の小柴昌俊名誉教授は、宇宙ニュートリノの検出へのパイオニア的貢献によりノーベル物理学賞を受賞されました。

小柴先生は、陽子崩壊の検出を目的として巨大な水槽に光電子増倍管を配置してチェレンコフ光を捉えようとする装置を着想され、神岡鉱山に「カミオカンデ」として実現させました。1983年から陽子崩壊の観測が開始されましたが、1987年には太陽ニュートリノ観測が可能になるまでに低ノイズ化を行い、同年に383年ぶりに起きた大マゼラン星雲の超新星爆発からのニュートリノの観測に成功しました。太陽系外からのニュートリノの最初の観測でした。その後、太陽ニュートリノや大気ニュートリノの精密な測定から多くの成果を挙げられました。これをきっかけに、ニュートリノ天体物理学という新しい学問分野が始められたのです。

今回の「ニュートリノ」展では、小柴先生のノーベル賞受賞研究の成果ばかりでなく、そこに至った着想の過程をも紹介します。中心的な位置を占めたカミオカンデ、スーパーカミオカンデや欧州素粒子物理学研究所(CERN)における実験を紹介しつつ、カミオカンデ・スーパーカミオカンデという装置を支えている技術や背景を紹介します。

小柴名誉教授のノーベル賞受賞は、ともすれば実利に傾きがちな先端科学全盛の時代にあって、基盤科学の重要性を示し、科学は文化的な所産であることを世に認識させました。


大型光電子倍増管を手にする小柴先生

カミオカンデの写真

 

 


特別展示

「小柴昌俊先生ノーベル賞受賞記念 ニュートリノ展」

会期:2003年01月16日 〜2003年04月20日

 

図録

ウロボロス記事 「「ニュートリノ」展を企画して」

ウロボロス記事 「カミオカンデを支えた人々1」」