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本展は、エトルリア(特に主要都市タルクィニア)を中心に、南イタリア(主としてルカーニア地方パエストゥムとプーリア地方北部アルピ)、マケドニア(ヴェルギナ、レフカディア、ディオン、アギオス・アタナシオス)、またトラキア(カザンラク、シプカ、ズヴェシュターリ、マグリッシュ)出土のネクロポリス、墓、葬祭記念物および葬祭絵画に焦点を当てたドキュメンタリー展である。主要部分を占めるのはエトルリアであるが、この地方では葬祭絵画の現象は、すでに前7世紀前半、すなわち大型記念墓建築の発生直後に現れた後、ヘレニズム盛期(前3世紀後半?前2世紀前半)にいたるまで継続していった。前6世紀から前3/2世紀にわたる期間を通じてエトルリア葬祭絵画の“首都”であったのは、南エトルリアの富裕な沿岸都市タルクィニアに他ならない。この町の地下の墓室墓に大部分がそのまま残されているオリジナルの壁画を展示することは出来ないが、その代わりに、本展では質的に優れた壁画の原寸大写真多数、またローマのドイツ考古学研究所古文書資料室所蔵の、一連の複製画ならびに透写図が一覧に供される。写真は、日本の名写真家、岡村崔氏の作品であり、ローマからの複製画や透写図は、19世紀にタルクィニアの墓室内で当時の画家や線描家達によって製作されたものであるが、日本ではもとより、ヨーロッパ外での初めての一般公開となる。また北エトルリアの幾つかの広大なネクロポリスや王侯貴族の墓(特にポプローニア)の記録も合わせて展示される。

図録序論より



特別展示

「死後の礼節 古代地中海圏の葬祭文化」

会期:2000年11月01日 〜2000年12月15日

 

・図録

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