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東京大学総合研究博物館は、地学系・生物系・文化史系から成る3系17資料部門を持ち、およそ240万点の学術標本を管理しています。今回の展示では、「骨〜かたちと機能を支えるシステム」というゆるやかなテーマに基づき選択された標本を通し、骨がどのような働きを持つものであるかを明らかにします。人間を含めた動物の骨ばかりでなく、骨を持たない植物や鉱物をも取り上げました。それらの形態と機能を支えるシステムについても考える機会としたいからです。いわば骨と骨組みという観点から、自然の仕組みを考えようとするものです。さらに、骨を利用した道具、骨を納めた器、骨から作られた薬、そして人工骨など、骨と人間の関係、骨をめぐる文化の一端をも紹介します。展示は、2000年度、2001年度にも継続されます。



特別展示

「骨 形と機能を支えるシステム 1 」

会期:1999年04月19日 〜1999年09月10日

 

さまざまな骨

  1. ムササビ(国立科学博物館蔵)
  2. ヤシガニ(農学部水圏天然物化学研究室蔵)
  3. 殷武丁期刻辞牛肩胛骨(紀元前14世紀頃、中国河南省安陽市小屯村殷代遺跡出土、東洋文化研究所蔵)
  4. 骨の絵葉書(旧宮武外骨コレクション、法学部附属明治新聞雑誌文庫蔵)

ヒトの骨格

  1. ヒト交連骨格・男女(模型)
  2. 幼児頭蓋骨(幕府直轄西洋医学所の旧蔵品)
  3. 細胞骨格(医学部細胞生物学・解剖学講座提供)
    • 急速凍結電子顕微鏡法で観察した神経細胞軸索内の細胞骨格
  4.              〃
  5. 急速凍結電子顕微鏡で明らかになった小腸吸収上皮細胞頂部の細胞骨格

骨とヒトの歩行

  1. アファール猿人の骨格(復元模型、エチオピアの約320万年前の地層より出土、推定身長約110cm、推定体重約25〜30kg、クリーブランド自然史博物館提供)
  2. チンパンジーの足と膝と骨盤
  3. アファール猿人の足と膝と骨盤
  4. ヒト(現代人)の足と膝と骨盤
  5. ヒト(現代人)の大腿骨と上腕骨
  6. ヒト(福島県保美貝塚出土、縄文時代後・晩期)の大腿骨と上腕骨
  7. ヒト(福島県三貫地貝塚出土、縄文時代後・晩期)の大腿骨と上腕骨

骨とヒトの形態〜 頭蓋骨の形態進化

  1. 縄文時代人(福島県三貫地貝塚出土)
  2. 弥生時代人(千葉県佐野洞窟出土)
  3. 古墳時代人(埼玉県深谷古墳出土)
  4. 鎌倉時代人(神奈川県材木座出土)
  5. 室町時代人(東京都大手町出土)
  6. 江戸時代人(東京都大宗寺出土)

骨とヒトの形態〜 頭蓋骨の地域差

  1. ヨーロッパの現代人(ドイツ)
  2. 南アメリカ大陸の現代人(ペルー先住民)
  3. 北東アジアの現代人(シベリア、ブリアート)
  4. ポリネシアの現代人(ハワイ先住民)
  5. 東アジアの現代人(日本)
  6. 東南アジアの現代人(ジャワ島)
  7. アフリカの現代人(アフリカ系南米移民)
  8. オーストラリアの現代人(オーストラリア先住民)
  9. 西アジアのネアンデルタール人(アムッド人、模型)

哺乳類の頭骨

  1. オオアリクイ    国立科学博物館蔵
  2. ハンドウイルカ(バンドウイルカ)
  3. カピバラ      国立科学博物館蔵
  4. ライオン          〃
  5. インドオオコウモリ     〃
  6. ゴリラ           〃
  7. ホンシュウジカ
  8. ノロジカ
  9. サンバー

哺乳類の身体を支える骨(大腿骨の比較)

  1. ヒメネズミ
  2. キツネ(アカギツネ)国立科学博物館蔵
  3. タイワンジカ        〃
  4. バイソン          〃
  5. アジアゾウ         〃

骨でできた道具

  1. 縄文時代の骨角器(縄文時代後期〜晩期、福島県相馬郡新地町三貫地貝塚出土)
  2. アンデスの骨角器(先インカ各期、ペルー、カキ・コトシュ遺跡出土)

骨でできた薬

  1. 竜骨(リュウコツ、原料=大型哺乳動物の化石化した骨、用途=鎮静収斂、製剤=紫胡加竜牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯)
  2. 牡蛎(ボレイ、原料=カキの貝殻、用途=制酸、止渇、止汗、鎮静製剤=安中散、紫胡桂枝乾姜湯、紫胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯)
  3. 土別甲(ドベッコウ、原料=スッポンまたはシナスッポンの背甲、用途=解熱、解毒、強壮、方剤=延年半夏湯)
  4. 蝉退(センタイ、原料=スジアカクマゼミまたはその他近縁動物Qクマゼミ類の幼虫のぬけがら、用途=解熱、止痒、消炎、鎮痙、方剤=消風散)

鉱物の骨組み

  1. 金雲母(産地=旧朝鮮砲子鉱山)
  2. 石英 (産地=岐阜県苗木)
  3. 正長石(産地=福島県石川) 

魚類の骨(X線写真)

  1. ヒラメ(カレイ目、ヒラメ科)
  2. アカグツ(アンコウ目、アカグツ科)
  3. ミナミハタンボ(スズキ目、ハタンボ科)
  4. コモリウオ(スズキ目、コモリウオ科)
  5. ネアティプス・オブリクウス(スズキ目、カゴカキダイ科)
  6. ツノハタタテガイ(スズキ目、チョウチョウウオ科)
  7. ギンカガミ(スズキ目、ギンカガミ科)
  8. ミナミクロダイ(スズキ目、タイ科)
  9. マトウダイ(マトウダイ目、マトウダイ科)
  10. タテジマヤッコ(スズキ目、キンチャクダイ科)

ポリコティルス科長頚竜(理学部地学科蔵)

  1. 化石(約9300万年前、北海道小平町で1990年に発見)

サンゴ骨格(理学部地理学科蔵)

  1. 現生ハマサンゴ(鹿児島県喜界島荒木海岸で採取)
  2. 化石ハマサンゴ(化石年代6050年前、鹿児島県喜界島志戸桶で採取)
  3. ミドリイシ(枝状群体骨格)

屋久杉(農学部森林植物学研究室蔵)

  1. 屋久杉(樹齢1500年以上)

骨を入れた容器

  1. 甕棺(縄文時代後期、岩手県大船渡市大洞貝塚A地点出土)
  2. 壷棺(弥生時代中期、栃木県宇都宮市野沢遺跡出土)
  3. 陶棺(古墳時代後期、岡山県倉敷市長尾町出土)

甲骨文(東洋文化研究所蔵)

  1. 殷武丁期刻辞亀腹甲
  2. 殷武丁期刻辞亀腹甲
  3. 殷武丁期牛肩胛骨
  4. 殷祖庚・祖甲期牛肩胛骨
  5. 殷帝乙・帝辛期牛肩胛骨

 

 

展示物リストと解説

ウロボロス記事 「骨を見ること」

ウロボロス記事 「身体を支える骨」

・ウロボロス記事 「アウストラロピテクスの骨格」