東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo
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コース概要

平成19年度「学芸員専修コース」の開催について 

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
当館は、平成5年度以来毎年秋に「学芸員専修コース」を開催し、これまで相当数のコース修了者を送り出して参りました。
当専修コースは、国内の博物館及び博物館相当施設で働く専門職員を主な対象とするものです。本コースは、大学等の高等研究機関で生まれる新しい研究の成果を広く紹介し、それをもって自然史・文化史の枠を超えた、文字通り博物学的な「博物館学」を、博物館資料の収集や管理、資料活用や展示設計に関わる「実践的な知」と併せて習得させる専門的リカレント教育の場として企図されています。 この事業の実施に踏み切ったのは、学内における研究成果を広く一般に公開することが社会の求めに応えること、と認識したからですが、同時に、それは大学にとっても、学外からの刺激を学内の教育研究の場へ還流させる格好の機会となります。 当館は平成8年5月11日より大学博物館として再出発しました。そして、わが国の博物館活動における大学としての役割を、東京大学に公的に導入することになりました。これを機会に、全国から集う参加者と共に新しい博物館事業のあり方等について議論し研究できますことを、我々は大きな喜びとするものであります。 つきましては、同封の平成19年度募集要項をご検討頂き、貴機関の関係各位に周知のうえ、併せて参加をお奨め頂ければ幸甚に存じます。  敬具 

平成19年7月東京大学総合研究博物館      
館長  林  良 博


平成19年度「学芸員専修コース」研修生募集要項

テーマ: アート&サイエンス融合 ――博物資源のリコンストラクション


■1.平成19年度研修の趣旨及び内容

本年度の専修コースでは、ミュージアムに蓄積される「博物資源」の創造的な利活用について考えます。ミュージアムには自然史系や文化史系等のさまざまな標本資料が保管されています。通常それらは研究分野ごとに収集・整理・保存され、知の体系に関連付けられた膨大なモノの「集積体」を形成します。
この集積体は、まさに博物資源と呼ぶにふさわしい学術的・教育的・事業的な利用価値を内包しているはずです。たとえば、この集積体を「第二の自然」ともいうべき新たな関係性の発現空間と見ることはできないでしょうか。すなわち、標本資料を未分化な流動態におき、出自を超えて連携させることによって、モノの新たな関係を発見・構築する可能性が生まれます。科学や芸術といった既存の枠組も、流動化と無縁ではありません。自然科学標本が現代アートに、歴史的美術品が先端科学分析の対象になります。このように、ミュージアムは安定した保存基地であるだけでなく、前進する創造拠点にもなりうるのです。
本年度の学芸員専修コースは4日間の日程で開講します。前半2日間は専門研究者による講義、後半2日間は受講者による展示企画の構想演習を行います。演習では、与えられた複数の学術標本に受講者自身が選んだ学術標本を加え、合計3つの学術標本をもとにした展示企画を立案します。講義と演習を通して、博物資源のリコンストラクションについて多面的に学んでいただきます。本専修コースは、美術館・博物館における新しい展示構想に寄与する実践的内容であると確信しています。

■2.実施期間及び場所
  期間: 平成19年11月12日(月)〜 15日(木)
  場所: 東京大学総合研究博物館 本館第一演習室 (11月12・13日) (〒113−0033 東京都文京区本郷7−3−1)
       東京大学総合研究博物館 小石川分館演習室 (11月14・15日) (〒112−0001東京都文京区白山3−7−1)
  地図: こちらをご参照ください

■3.担当教員
 松本 文夫 (総合研究博物館・客員准教授)

■4.募集人員
 16名

■5.募集期間
  平成18年7月23日(月)〜平成18年9月21日(金)
  応募は郵送によること(必着)。

■6.応募資格
  博物館、美術館、資料館、埋蔵文化財センター等施設の専門職員で、学芸員資格取得者もしくは学芸員としての業務に直接携わる者。

■7.受講料 
  5,000円

■8.応募方法 
  次の書類を郵送すること(申し込みは郵送に限る)。
  イ.所定の受講申込書(必要事項を記入すること) 
  ロ.所定の所属機関長もしくは指導教官の推薦同意書
  ハ.A4サイズの返信用封筒(宛名を記入し、140円切手を貼付のこと)

■9.応募先
  東京大学総合研究博物館「学芸員専修コース」実施委員会
  〒113−0033東京都文京区本郷7-3-1  電話:03-5841-2802 FAX:03-5841-8451

■10.選考結果の通知
  東京大学総合研究博物館「学芸員専修コース」実施委員会において選考のうえ受講の可否を決定し、9月中に各応募者に通知する。

■11.その他注意事項
 ・受講者には、以下のレポートを提出していただきます。(3項の担当教員に)
  1) 自分が選定する学術標本1点の写真と説明、および氏名・所属をA4版1枚相当に記し、専修コース開始前に電子メールで提出。
  2) コースを受講した感想等について、専修コース終了後に電子メールで提出。
  ※1)、2)ともに提出時期は別途指示します。
  ・全日程終了後、受講者には「学芸員専修コース修了証書」が授与されます。
  ・宿泊場所は受講者が各自で手配して下さい。
  ※なお、この募集要項は東京大学総合研究博物館のホームページでご覧いただけます。
  ホームページのアドレス: http://www.um.u-tokyo.ac.jp


事前レポート

学芸員専修コースの後半2日間は、本年度のテーマ「アート&サイエンス融合 ――博物資源のリコンストラクション」に関する構想演習を行います。博物館側から提示された複数の学術標本に、受講者自身が選んだ1点の学術標本を加え、合計3つの学術標本をもとにした展示企画を立案していただきます。3つの学術標本の間には、明示的な関連性があるとは限りません。受講者の構想力によって、博物資源に新しい価値を発見してください。構想演習を実施するにあたり、受講者の皆さんは「自分の好きな学術標本」を1点選んでいただき、それについて事前レポートを作成・提出いただきます。
   学術標本は、自然史系・文化史系・芸術作品などから自由に選んでください。皆さんが普段の 仕事や研究で扱われている分野の標本でも結構ですが、必ずしもそうでなくても構いません。少なくとも自分の目で確認したことがあるもの、博物館に展示できる大きさ/性質のものであること、とします。なお、総合研究博物館が用意する学術標本は、開講後にお知らせします。
レポートには以下の情報を含め、全体でA4紙2枚以内にまとめてください。
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1)レポートタイトル (「平成19年度学芸員専修コース事前レポート」と記入)
2)受講者の所属機関・職名・氏名・専攻分野 
3)学術標本の名称 (または作品名称、1点)
4)作者名 (標本/作品の制作者がいる場合)
5)サイズ (タテ・ヨコ・高さの概寸)
6)年代  (モノ自体の年代、制作年代、調査年代等)
7)場所  (発見場所、制作場所)
8)説明  (学術標本の説明、400字程度)
9)理由  (この学術標本を選んだ理由、200字程度)
10)写真 (JPEG画像をレポートに貼り付ける。なるべくヨコ10cm、タテ7cm以上)
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11)「アート&サイエンス融合―博物資源のリコンストラクション」について 
(タイトル自由。本年度のテーマについて考えることを自由に記してください。自館に
おける同種の試みや自分の構想案について述べても構いません)
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事前レポートは、11月9日(金)午前10時までに松本文夫にメールで送ってください。
matsumoto(a)um.u-tokyo.ac.jp


企画構想プロジェクト

1)課題概要
本年度の専修コースのテーマを受けて、「博物資源のリコンストラクション」を実践的に試行する企画構想演習を行う。 ミュージアムの多様な標本群を学術分野の枠組を超えて連携させ、独自性のある展示企画を構想することを目指す。 受講者自身が選んだ1点の学術標本に当博物館が提示する4点の学術標本(→5)項)のうち2点を加え、合計3点の学術標本をもとに展示企画を立案する。3点の学術標本の間には明示的な関連性があるとは限らない。受講者の構想力によって、博物資源に新しい価値を発見することが求められる。

2)課題条件
・3点の学術標本(以下、「選定標本」という)の解釈、テーマ展開、活用方法、展示内容は自由に考えること。
・選定標本以外に関連標本等を追加してもかまわない。ただし、選定標本をコアとして構成を行うこと。
・展示会場の設置場所、空間形状、閲覧動線、展示手法、運営形態は自由に想定してよい。
・展示会場の面積は200平方メートル以下とする。

3)提出物
【必ず提出するもの】
A.展示企画構想提案書(ハンドアウト) ・・・A3版2枚以内、10部。下記@〜Dの情報を含むこと。
@専修コースのタイトル:
平成19年度学芸員専修コース「アート&サイエンス融合――博物資源のリコンストラクション」
A提案書のタイトル:
「○○○○○」展 展示企画構想提案書 (「(主題)―(副題)」展、のようにタイトルを分節してもよい)
B平成19年11月15日、受講者氏名、所属
C展示企画構想:
  展示企画の構想意図、選定標本からのテーマ展開、展示内容、展示物リスト、展示物配置。
  必要に応じて、図表や写真/画像等を用いてもよい。
D展示会場配置図:
  展示会場内における展示物の配置を示す見取図を縮尺1:100で描く。(スケッチ程度の表現で可)
  必要に応じて、断面図や透視図等、他の表現手段を併用してよい。
※ハンドアウトの作成手段は、手書きでもコンピュータでも構わない
B.ハンドアウトのデータ ・・・直渡しまたはメール提出
  ハンドアウトをワード等のソフトで作成する場合は、そのデータを提出する。手書きで作成する場合は、
  A項のA、B、Cについて、別途メールに記載して提出する。
【可能であれば準備するもの】
C.展示企画構想プレゼンテーション(パワーポイント等) ・・・発表時にプロジェクタで投影、データを提出
   内容はハンドアウトに準ずる。

4)発表
・中間発表
  11月14日(水)16:20〜17:50。選定標本および基本的な企画構想を口頭で発表する。
  1人あたり12分(発表4分、コメント8分)程度。
・最終発表
  11月15日(木)16:20〜18:20 上記「提出物」を準備して発表する。
  1人あたり15分(発表5分、コメント10分)程度。


5)総合研究博物館が用意する学術標本
  下記4点のうち2点を選択し、これに受講者自身が選んだ1点を加えて、合計3点の学術標本による展示企画を構想すること。

数理模型
作者:ミュンヘン工科大学Aブリル
博士(監修)
寸法:径25cm、高さ25.5cm
年代:1880
場所:ドイツ 
説明:曲率一定曲面実体模型
(石膏製)。ドイツ・ハーレ社製。
東京大学大学院数理科学研究
科 所蔵
フレリトゲアメフラシ液浸標本
作者: -
寸法:径7cm×高さ22cm 
年代:1942
場所:沼津(採集地) 
説明:東京大学薬理学教室の廃棄
標本。元々は市販のリファレンス
標本
プロペラ部品
作者: -
寸法:幅11×奥行7×高さ27cm 
年代:昭和期
場所:東京 
説明:東京大学機械工学科でつ
くら れた風洞実験用のプロペラ
部品

ドゴン族の人形
作者:不詳
寸法:高さ56cm 
年代:19世紀初頭(年代測定による
推定)
場所:マリ 
説明:呪術祭祀に使われたと思われ
る 人形。自然木の 湾曲を生かした
彫刻 

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