東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo
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博物館工学ゼミナール 音楽イヴェント班

博物館所蔵資料のデザイン資源化プロジェクト 活動記録 音楽イヴェント班2006のトップページへ
 






















第1回 ミーティング
【日時】2006年4月27日 17:00-18:30
【場所】東京大学総合研究博物館本館3階演習室
【参加者】教官・学生他、山内隆治氏(日本映画新社)
【概要・テーマ】
(1)蓄音機演奏会の計画発案・検討
(2)総合研究博物館所蔵資料のデザイン資源化プロジェクトの紹介・検討
【進行・内容】
今回のゼミでは、(2)のプロジェクトの紹介がメインであった。(1)の蓄音機演奏会では、デジタルプログラミングされた音源をSPレコード化し使用する案がある。(1)と(2)は一貫した「音(とデザイン資源)」のプロジェクトとして進めてゆく可能性をふまえつつ、今回は(2)の紹介を行った。日本映画新社の山内隆治氏による、総合研究博物館小石川分館所蔵資料をデジタル資源化するためのデモ映像の上映。現在の総合研究博物館HP上の画像をレイアウトし動画化し、ナンバーナイン氏というシカゴを拠点に活動をしている日本人ミュージシャンによる作曲で構成されている。同氏は、今回の映像内では、資料である機械の部品から生まれる音にインスパイアされた音楽を作った。その後、皆で映像に対して意見を出す。詳細は割愛するが、何を目的とした映像をつくるのかという点が重要であった。そのためには計画を先に具体化する必要があるが、同時に、様々な条件がともなったとき何ができるのかということも考慮する必要が生じる。これらの件について、山内氏に伺いつつ話を進めた。
(作成担当:地域修士2年 小森真樹)

第2回 ミーティング・小石川分館見学
【日時】2006年5月18日 17:20-19:00
【場所】東京大学総合研究博物館小石川分館
【参加者】教官・学生他、日本映画新社関係スタッフ4名(音楽担当者は事情により欠席)
【概要・テーマ】
(1)博物館所蔵資料のデザイン資源化プロジェクトの検討
(2)西野教授による小石川分館と展示品についてのレクチャー
【進行・内容】
  今回のゼミは日本映画新社の方達とのミーティングを兼ねて小石川分館で行われた。ゼミの前期は博物館所蔵資料のデザイン資源化プロジェクトに、後期は蓄音機による音楽会企画に当てられることが決定した。デザイン資源化プロジェクトについては、博物館の展示品を紹介するDVDカタログの制作が決定した。学生達には常識に捕われない発想の提案が求められる。
  小石川分館には初めて訪れる学生が大半だったため、西野教授から説明を受ける。キャプションをできるだけ排した展示品の厳密な配置、構成に加えて、清閑な立地と窓から見える植物園の豊かな新緑風景により、来場者が時間を忘れてくつろげる空間となっている。これは森美術館に代表される都心のビル内に創られたホワイトキューブというスタイルとは真逆のものである。その後、映像作品についてのイメージを膨らませるために、西野教授の解説と共に全員で展示品の見学を行う。明治初期の工学機械における利便性のみに捕われないデザインの追求。標本が示す生命の歴史と自然のダイナミズム。全ての展示品が「美」と「複雑性」を有していて感嘆する。なお、標本や展示用の棚の多くは東京大学の教育研究の現場で既に使われなくなった学術廃棄物であった。最後に博物館の外に出て、以前の企画でテラス周りのスペースを使ってレセプションをしたことを教えられる。ちょうど日が落ちた頃で、素晴らしい情景と雰囲気だった。
  具体的な撮影日時はまだ決定していないが、休館日の3日間ほど使って行うので、参加者は手伝える態勢をとっておく。
  【学生への課題】
(1)映像作品製作についての斬新なアイディアを、翌週水曜までに提出する。
(2)後期の蓄音機音楽会企画に備えて、最初期の蓄音機についての資料を集めておく。
  (→その後、第3回ミーティングまでの間に、学生から映像作品制作についての多様なアイディアが寄せられ、山内氏らに転送すると同時に、学生の間でも回覧した。)
(作成担当:西洋史学3年 門間卓也)  

第3回 ミーティング
【日時】2006年6月8日 15:00-18:30
【場所】東京大学総合研究博物館小石川分館
【参加者】教官・学生他、日本映画新社関係スタッフ4名、音楽制作のジョウ氏
【概要・テーマ】
(1)撮影の為の下見
(2)前回ミーティング後に提出した映像作品制作へのアイディアをもとにしての、映像制作の方向についての話し合い
【進行・内容】
(1)総合研究博物館の藤尾助手の立ち会いのもと展示ケースを解錠して教育研究機材である機構モデル群を実際に手で動かし、動作確認をした上で、動作と音の面白さをそれぞれ試してみた。それぞれ全く違う作動音がすることが分かり、音の重要さを確認した。撮影の際に機材を動作させる為には手でハンドルを回す必要があるが、手が映像の中に入ってしまってもよい(防ぎようがない)とことを改めて確認した。
(2)映像の方向について提出されたアイディアをプリントアウトしたものを各自に配布した上で、更なる意見出しを行った。機器そのものの音を音楽にも反映させられないだろうか、主音声・副音声を設定して副音声で説明が聞けるようにしてはどうか、細部の超ズームから導入してカメラを引いてゆくことで全体が見えるような手法を用いて美的な美しさや面白さを伝えられるのではないか、影を見せてから次第に全体という撮影方法で動きの美しさを表現してはどうか、時間軸をいじる(早回し)という方法は今回の様々な条件下では難しいだろうなど、様々なアイディアや意見が交換された。今回の映像は今後長い尺の映像を撮ることを視野に入れたものであることを確認した。本編そのものには出来るだけ説明(音声にしてもキャプションにしても)は付けずに、西野教授のインタヴューを別に付けることで分館のコンセプトなどを伝えるのはどうだろうかという提案により、インタヴューを撮影することが決定した。
  (作成担当:学際情報学府修士2年 奥田あゆみ)

第4回 DVDカタログ撮影準備
【日時】2006年6月27日 13:00-17:00
【場所】東京大学総合研究博物館小石川分館
【参加者】教官・学生他、日本映画新社関係スタッフ15名
【報告】
高橋ディレクター・山内プロデューサーはじめ撮影スタッフの方々の仕事を手伝った。展示ケース・収蔵室から藤尾助手の指示に従つて資料を運び出し、2階の床及び中央の階段に並べる作業を行った。翌日の撮影でカメラが動く道筋を4通り設定し、それに沿つてランダムに(しかし美しく)並べる。細心の注意をはらつて資料を並べたが、初めての経験でもあり、かなり貴重な資料を扱つたこともあり、緊張した。
【翌日の撮影に関する連絡・注意事項】 省略
(作成担当:日本史學博士3年 池田勇太)

第5回 DVDカタログ撮影
【日時】2006年6月28日 8:00-20:00
【場所】東京大学総合研究博物館小石川分館
【参加者】教官・学生他、日本映画新社関係スタッフ15名
【報告】
  昨日並べた展示物を撮影した。2階から階段を下って1階に抜けるカット、展示物に沿って2階をぐるりと周るカット、展示物を個別に撮るカットなど、スタッフの方々が様々なシーンを撮影していき、学生がその準備や片づけの手伝いをするという感じで作業は進行した。全ての撮影が終了したのは19時半頃。予定より少し早めに終わることができた。
  撮った映像を確認できるモニターを見せていただいたが、どの映像も予想以上に力強く、大変驚かされた。ここに編集が加わったらどれだけ魅力的な映像になるのだろうと今から楽しみである。個人的には、普段ディスプレイされていて触れることができない歯車を鳴らせたことに感動した。
  監督をはじめスタッフの皆さん本当にお疲れ様でした。貴重な機会を与えてくださってありがとうございます。
【今後の予定】
後期に向け蓄音機について自分の研究テーマ・関心に沿って調べてみるなど、個人的に作業を進め、MLで意見交換を進めていく。
(作成担当:美学藝術学4年 鳥越弾)

第6回 DVDカタログ鑑賞、今後の打合せ
【日時】2006年10月19日(木) 17:00-18:45
【場所】東京大学総合研究博物館本館
【参加者】教官・学生、山内隆治氏・林華江氏(日本映画新社)
【概要・テーマ】
(1)デジタル図録の鑑賞、感想や意見交換
(2)蓄音機演奏会の企画、準備について
【進行・内容】
(1)デジタル図録(DVD16分54秒)が完成し、鑑賞した。その後、一人ずつ感想を述べた。以下は抜粋。
・ とにかく素敵だった、感動した。
・ クオリティが非常に高いと感じた。
・ テロップのタイミングがやや遅いのではないか。(→欧文テロップに直す際に改善されると のこと。)
・ 構成がとても良い。
・ 機械(歯車など)の動く様子が興味深い。
・ かなり時間をかけた、ステディカムで撮った映像が、あまり使われなかったのは残念。(山 内氏によれば、思ったような画が撮れなかったとのこと。)
・ 映画のような始まり方と終わり方だった。ストーリー性がある。
・ オリジナル楽曲が多く使われており、とても良い出来だと思う。
・ テロップの言い回しが「ひっかかる」感じがした。(→逆にそれが良いのではという意見もあ った。)
・ 来館者は通常は展示物に触ることはできないので、とても面白い。
(2)蓄音機のイヴェント第1弾を11月18日(土)に小石川で行うことになった。日本学術会議の関係者25名の会合の余興として、15分ほど行う予定。蓄音機の由緒などを調べてまとめたものを提示し、レコードの聞き比べをする。11月15日(水)、16(木)に蓄音機2台の音が出るかどうかなどの確認作業を午前11時から開始する。それまでかなり日にちが空いてしまうが、自主企画で12月上旬に第2弾音楽イヴェントを行うことも決まったので、それに向けての準備も並行させつつ、MLで連絡し合いながら進めていくことが求められる。
【今後の予定】
蓄音機寄贈者へのヒアリング(10月23日)、文献調査の分担(文献調査班員を中心とするが、全員で対応する)、自主企画のイヴェント案作成(実験班員は11月10日までに提出)
(作成担当:社会学4年 佐藤景子)


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