東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo
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LAMINARIE

インターメディアテク(IMT)プレ・イベント演劇公演2010
ラミナリエ 「TU NON MI CONOSCI(あなたは私を知らない)」

リーフレット(PDF)

■開催趣旨

東京大学総合研究博物館は、大学博物館の立場から、これまでにもアートとサイエンスを架橋する様々な事業に意欲的に取り組んでまいりました。2009年4月には、「インターメディアテク(IMT)寄附研究部門」を新たに発足し、「国際的な学術・文化の総合ミュージアム」の具現化に向けた研究への取り組みを進めております。
このたびは、その一環として、イタリア・ボローニャより劇団ラミナリエを迎え、小石川分館にて、インターメディアテク(IMT)プレ・イベント演劇公演2010「TU NON MI CONOSCI(あなたは私を知らない)」を開催する運びとなりました。ラミナリエは、1994年にイタリア・ボローニャにて設立され、現代演劇において独創的な表現方法を追求することを活動目的としている劇団です。ラミナリエによる本作品は、いわゆる演劇のための劇場空間のみならず、様々な場所で上演され、その固有の建築的特徴に着目して作り上げられることを企図しています。会場となる小石川分館は、1876(明治9)年に東京医学校の中心建築として本郷に建てられた東京大学現存最古の学校建築を小石川植物園内に移築再建したものであり、国の重要文化財に指定されています。
したがって、ラミナリエとの共同制作により、歴史的建造物でありかつミュージアム空間である小石川分館で現代演劇を上演する本企画は、過去と現代という歴史の重層性を浮かび上がらせるとともに、ミュージアムと演劇という異なる領域を融合させ、新たな芸術表現のための実験的なコラボレーションとなることが期待されます。また、東京大学総合研究博物館とラミナリエの協同が日本とイタリアの学術・文化交流の一端に寄与することができれば真に幸いに存じます。

■開催日時および場所

2010年3月7日(日) 14:00−/ 17:00− *開場は開演の30分前
東京大学総合研究博物館小石川分館
東京都文京区白山3−7−1
地下鉄丸の内線「茗荷谷」駅より徒歩8分
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/annex.html (分館HP)
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/annex_map.html (地図)

■入場

入場無料
予約受付は終了しました

■作品紹介

私たちにいくつかの疑問を提示し、対象に関心をもたせ、より深く見つめさせようとする。それが本作「あなたは私を知らない」である。われわれが既に知っていると思っているものは、刻々とその姿を変えている。本作品は、この変化する形を探求するというアイディアから始まる。舞台上では、子どもと大人という二つの異なる身体が耳をすませ、ほとんど気づくことのないような物質が変容するさま、あるいは成長という恐れを知らない変化のさまが表現される。このパフォーマンスは、現代演劇の領域において、上演される様々な場所との関係性の中で、特にそれぞれの場所に固有の建築的特徴に着目して作り上げられる。

あなたは私を知らない。
例えば、あなたは私が自分の部屋で宿題をしていると思っている。でも、違う。私は自分の部屋にいないし、宿題もしていない。たとえ私が自分の部屋にいても、宿題をしていなければ、あなたはやはり間違っている。
そして、ここは本当に私の部屋ではない。ここはあなたの家にあるのだから、あなたの部屋。
私はただ、今たまたまそこに住んでいるだけ。
そして、これは本当に私の宿題ではない。だって、この宿題は数学の先生が私に出したけれど、採点するのは先生。だから、これは先生の宿題。
混乱する?落ち着いて。
あなたは私のことを何も知らない。あなたは私について、いちばん大事なことを知らない。どこからこれを書いているのか。私がどんな様子をしているのか。あなたは私に対して何の力もない。
あなたは私がどんな風に見えると思う?
やせっぽち?そばかすだらけ?茶色の目に細いメタルフレームの眼鏡をかけている?
いいえ、私はそうは思わない。
もう一度よく見て。
もっと深くまで。
まるで万華鏡みたいでしょう?
1分前には私は小さかったのに、もう1分経ったら大きくなっている。私の姿は絶えず変化する。ただ一つ変わらないままのものは私の茶色の瞳。
あなたを見つめている瞳。
(デイビット・クラス)

作・演出 / フェボ・デル・ゾッツォ
出演 / アグネス・デル・ゾッツォ、フェボ・デル・ゾッツォ、ソフィア・デル・ゾッツォ
映像 / リノ・グレコ、ブルーナ・ガンバレリ
企画運営 / フェデリカ・ロッチ、サワヤ・ナツコ
制作 / ラミナリエ
後援 / エミリア-ロマーニャ州文化局
特別協力 / ユキコ・ナガシマ、カツ・ナガシマ
協力 / イタリア文化会館 東京

共同制作 / 東京大学総合研究博物館
監修 / 西野嘉章
コーディネーター / 寺田鮎美
グラフィック・会場デザイン / 関岡裕之
協力スタッフ / 博物館工学ゼミ

■招聘劇団紹介

ラミナリエは、1994年イタリア・ボローニャにて設立されました。主宰ブルーナ・ガンバレリとフェボ・デル・ゾッツォを中心に、現代演劇の領域において独創的な表現方法を追求することを主たる活動目的としています。ラミナリエは、大人向けおよび子ども向けの演目ラインをもっており、10年以上にわたり独自の活動を続けています。すなわち、演劇だけではなくヴィジュアル・アートや建築とのつながりを重視し、国内はもとより、世界各国で公演を行っています。

ラミナリエ
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