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    Canadoceras multicostatum Matsumoto. Matsumoto (1954a [for 1953]: 304)による証拠標本。樺太内淵地方、白亜紀(UMUT MM6862)

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    Yubariceras japonicum Matsumoto, Saito & Fukada.Tanabe & Shigeta (1987: 166, fig. 2-1A, B)による図示標本。北海道留萌郡小平町、後期白亜紀(UMUT MM18213)

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大型アンモナイト標本

アンモナイト学は東京大学の古生物学を代表する研究テーマである。特に日本のアンモナイトの重要なタイプ標本の多くが東京大学総合研究博物館に収蔵されている。ここに図示する2点のアンモナイトは比較的大型ものである。標本番号 MM6862. Canadoceras multicostatumは戦前に樺太の内淵地方から採集されたものである。現在では樺太地方を調査することが困難であるため、貴重な標本である。

標本番号MM18213. Yubariceras japonicumは北海道の蝦夷層群から得られたものである。本種の強い肋は捕食者に対する防御として有効であったと考えられている。

本館にはさらに大型のアンモナイト類を収蔵している。最大のものはJimboiceras planulatiforme (Jimbo)で長径70cm、重量90kgに達するが、展示するには巨大で重すぎるため、収蔵庫に収められている。
(佐々木猛智・伊藤泰弘)

参考文献 References

Matsumoto, T. (1954a) [for 1953] The Cretaceous System in the Japanese Islands. Tokyo: The Japanese Society for the Promotion of Scientific Research.

Tanabe, K. & Shigeta, Y. (1987) Ontogenetic shell variation and streamlining of some Cretaceous ammonites. Transactions and Proceedings of the Palaeontological Society of Japan. New Series 147: 165–179.