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小石川分館親子見学会イベントの開催について
 さる2007年8月25日(土)、26日(日)の2日間へわたって東京大学総合研究博物館小石川分館の親子見学会イベントが開催された。同時期の文部科学省主催のさまざまなイベントの一環として昨年から行われているもので、本年で2度目となる。内容的には40組の小学生とその親へ時間を決めてご来館いただき、およそ1時間半にわたって展示解説を行うというものである。対応者の中心は年間を通して来館者の対応へあたっていただいている学生ボランティアである。
 具体的には、骨を実際に触ってみる、昔の手回し式計算機を実際に使ってみる、という2つの体験コーナーを軸として、そこへ博物館概要も含めた基本的な展示解説を組み合わせるという形をとっている。たとえば通常展示ケースへ収められているものを、当日のみ外へ出すというようなことも行っていて、来館者にとっては標本の存在感や意義を再確認していただくきっかけとなろう。その一方で、ただ中のものを外へ出しました、標本へ触れることができます、というだけでは、ある種の安っぽさへつながる恐れがないわけではないし、そもそも何のために展示ケースへ入れられているのかというところまで立ち戻って考えれば、目的の再確認や何らかの工夫ということも必要となってくるであろう。このような点では対応者にとってもあらためていろいろなことを考えるきっかけとなりうるものである。
 来館者への対応ということ自体は日常的・継続的にやっていただいている活動のひとつであり、本イベントも基本的にはその延長上にある。もっとも通常の活動内容とは異なった点も少なくない。たとえば相応の知識と関心を持つ来館者へ対する解説と、場合によっては生まれてはじめて博物館を訪れることともなる小学生たちへ対する解説とではおのずと求められる内容が異なってくるであろうし、手続的にも先方の質問を受けてそれに対して回答していく形と、聞き手の関心の所在を考えながら臨機応変に何らかのストーリーを組み立てていく形とではこれまた対応が大きく異なってくる。とくに日が浅い学生ボランティアの中には知識不足を不安視する向きもあるが、特段に専門的な知識は必要ではないし、むしろ周囲の言動への脊髄反射的な反応を超えて、もっと自分なりに何かを感じたり考えたりしていただけるようなきっかけづくりをどうするか、ということを考えていただければと思っている。
 また通常は1対1の対応が中心だが、本イベントにおいては複数人の協働ということが不可欠である。通常シフトを組んで対応していただいていることから、この点はひとつの課題でもあったが、逆にまとまりを形成するきっかけともなりうるものである。とはいえ同種のほかのイベントとことさらに何かを競うものではなく、またイベントの準備のためにことさらに負担を強いるものでもなく、参加者はもちろんであるが、対応者にとっても気軽に参加できる趣旨のイベントであるべきではないかと考えている。いわゆる解説以外にも誘導やスケジュール管理など必要なことがいろいろとあって、自分なりに何らかの役割を見つけつつ協働してひとつのイベントを実現していくこととなる。
 イベントの内容もさることながら、それらを通して個々人が得た経験も大きな意味を持っている。それらが何よりご参加いただいた小学生たちの将来にとって少しでも有意義なものとなっていることを願わずにはいられないし、また中心となってご対応いただいた学生ボランティアたちにとっても、今後何らかの形で報告していただくなり、あるいは今後のさまさまな活動へ発展的に活かしていっていただければと考えている。
 以上継続的な展開ということも念頭へおきつつ、あくまで脇役としての立場から私見を述べさせていただいた。本イベントへご尽力いただいた方々は別掲学生ボランティアのうち10 名と当山紀美枝さん、女屋美咲さん、寺田鮎美さんの計13 名である。
(藤尾直史/本館助教/建築史学)

デザイン賞の受賞
  本館の展示「時空のデザイン」がディスプレイ産業賞2007・ディスプレイ産業奨励賞を、「モバイルミュージアム」がディスプレイデザイン賞2007・企画研究特別賞を受賞しました。

来館者
  事前に申込のあった主な来館者は下記の通りです(平成19 年5月〜平成19 年9月)。
 紀美野町立野上中学校、愛知県知立市立知立南中学校、里山野草会、豊橋市五並中学校、岡崎市立東海中学校、ロシア連邦・連邦教育部局代表団、三重県四日市市立笹川中学校、愛知県安城市立安祥中学校、信岡正也、愛知県稲沢市立祖父江中学校、磐城緑陰中学校、愛知県知多郡東浦町立東浦中学校、蕨市華道連盟、北杜市立甲陵高等学校、大森 哲夫、平塚市立大野中学校、愛知県岩倉市立岩倉中学校、栃木県立今市高等学校、栃木県宇都宮市立瑞穂野北小学校PTA、茨城県龍ヶ崎市立中根台中学校、西武学園文理高等学校、桐生第一高等学校、駿台甲府高等学校、横浜理化学研究所RCAI、富山県立富山中部高等学校、愛知工業大学名電高等学校、富山県立砺波高等学校、山梨県立甲府南高等学校、佐々木学園鶯谷中学・高等学校、佐野日本大学高等学校、愛知県立時習館高等学校、村上様ご一行、三重県立津高等学校、栃木県立足行、三重県立津高等学校、栃木県立足利高等学校、江戸川学園取手高等学校、初芝橋本高等学校、香川県大手前高松高等学校、岡山白陵高等学校、智弁和歌山中学・高等学校、神奈川県立横浜緑ヶ丘高等学校、富山県立濃すぎ高等学校、茨城県立水戸桜ノ牧高校父母と教師の会、学優舎(学習塾)

小石川分館
筑波大付属小学校、INAX ギャラリー

ボランティアのご協力
 特別展「遺丘と女神―メソポタミア原始農村の黎明―」展開催にあたり、下記の方々にご協力いただきました。
 飯干ユミ、伊藤道子、稲葉八重、植原昭八、宇野康子、沖川康子、神田理子、國近尚三、熊谷昌子、黒田景子、小久保恭子、斉藤春江、斉藤庸子、佐藤和子、佐藤れい子、高橋恭子、中島久美子、永田正博、渕上妙子、舩窪英子、星佳子、堀井美喜雄、堀江千恵子、マーク・ワトソン、松山薩雄、馬渕恵子、宮崎眞一、三好史郎、柚木陽子、渡辺純子
 また、小石川分館では常設展示「驚異の部屋」展開催にあたり、下記の方々にご協力いただきました(平成19年5月〜19年8月)。 青木翔平、石坂安希、伊早坂貴子、岡田亜希子、小川祐貴子、加藤紳也、金成有佑、河上紫都香、金高有希、國歳隆晃、見目奈緒美、竹本祥世、田附博、平野由美子、福田翔尉、堀越あゆみ、柳澤宏美、横山徹、若澤佑典

博物館教職員
 平成19 年8月1日付けでイタリアよりセルジオ カラトローニ(S e r g i o 、Calatroni)氏が客員教授として着任しました。
 平成19年7月1日付けで本部事務組織改編に伴い、研究協力部総合研究博物館グループから本部(研究推進系)総合研究博物館グループになりました。平成19年10月1日付けで富田雅行主任が本部総務・法務系総務グループ情報公開・個人情報チーム係長に昇任し、本部人事・労務系人材育成グループ職務評価チームより中島大係長が着任しました。また同日付で藤野史子事務補佐員が採用されました。
 現在の博物館のスタッフは以下のとおりです。

館長
林 良博(大学院農学生命科学研究科教授・国際動物学)

研究部
キュラトリアルワーク研究系
教授  諏訪 元(形態人類学)
助教  佐々木猛智(動物分類学)

博物資源開発研究系
教授  西秋 良宏(先史考古学)


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