東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo





ヨルダンでの旧石器遺跡調査の様子




ホモ・サピエンスのユーラシア拡散前後における、
石器の刃部獲得効率の変化。ヨルダン調査で収集した
約1万6千点の石器を分析した(Kadowaki et al. 2024
Nature Communications 15: 610)。拡散初期の石器(5万〜4万年前)は大型で刃部獲得効率が低いのに対し、その後の4万年前以降になると、石器が小型化し
刃部獲得効率が高まった。その頃にネアンデルタール
人など古代型人類が絶滅した。

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 主に西アジアをフィールドにして、人類全体に関わる歴史イベントである、1)人類進化史における旧人から新人ホモ・サピエンスへの交替と、2)農耕牧畜経済の出現と拡散、に関する考古学研究をしています。どちらの事象も、「新人が旧人より優れていたから」あるいは「農業の方が狩猟採集よりも効率的だから」など、人類進化や文化の「必然的な発達」として説明されがちですが、実際は当時の特定の自然・社会環境の下で生じた歴史的産物です。その理由を「優劣」のみの基準で判断してしまうと、人類史から学ぶことができる知見や教訓は限られてしまいます。
 1997年以降、シリアやヨルダン、アゼルバイジャンで遺跡調査に携わってきました。文字ではなく遺跡から発掘される考古記録(石器、土器、動植物遺存体、炉跡、建築物など)から人類史を多面的に復元するために、遺物の形態や製作技術、機能の分析を行うほか、人類学や動植物学、地球科学、数理科学などの専門家との共同研究も積極的に進めています。
 私の学士と修士研究では、東京大学イラク・イラン調査団と洪積世人類遺跡調査団が収集した石器資料(東京大学総合研究博物館収蔵)を使わせていただきました。当館の考古資料が教育研究に幅広く活用されることを望んでいます。

略歴
1975年 北海道生まれ。
1997年 学士号(文学)取得 東京大学 文学部 歴史文化学科
1999年 修士号(文学)取得 東京大学大学院 人文社会科学研究科
2002年 M.A. 取得 タルサ大学大学院 人類学科
2007年 Ph.D. 取得 トロント大学大学院 人類学部
2007年〜2008年 カナダ人文社会科学評議会・PD
2008年〜2009年 日本学術振興会・特別研究員SPD
2009年〜2010年 東京大学総合研究博物館・特任助教
2010年〜2016年 名古屋大学博物館・助教
2016年〜2022年 名古屋大学博物館・講師
2022年〜2026年 名古屋大学博物館・教授
2026年〜現在 東京大学総合研究博物館・教授

業績
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