東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo


大地とまちのタイムライン
東日本大震災で被災した楢葉町歴史資料館はリニューアルされ、2023年4月に「楢葉町×東京大学総合研究博物館連携ミュージアム大地とまちのタイムライン」が楢葉町コミュニティセンターにオープンしました。そこでは、楢葉町と東京大学総合研究博物館の協働により、地球の誕生から楢葉町の歴史に至る内容が展示されています。「モバイルミュージアム in NARAHA」は、この新しい施設の機能を外部に拡張するものです。

モバイルミュージアム in NARAHA
モバイルミュージアムとは次世代型博物館の一つの形式であり、自由に遊動する小さなミュージアムを意味しています。コンパクトにパッケージ化された展示ユニットが、公共施設などの空間をミュージアムに変容させます。ここでは、モバイルミュージアム in NARAHAとして、東京大学や楢葉町の収蔵資料の一部を公開しています。この展示の母体となる「大地とまちのタイムライン」への関心を深めていただければ幸いです。

事業主体:楢葉町
展示主催:楢葉町教育委員会、東京大学総合研究博物館
構想設計:東京大学総合研究博物館
事業支援:公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構
     【大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業】
開設日: 2024年7月20日

ロケーション

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A 道の駅ならは
福島県双葉郡楢葉町山田岡大堤入22-1

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B ならはスカイアリーナ
福島県双葉郡楢葉町大谷上ノ原16番地

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展示物

道の駅ならは A03
灰礬柘榴石・緑簾石
展示期間:2025.7.25-
展示場所:道の駅ならは
白亜紀/福島県東白川郡鮫川村発地岡/鉱物標本/東京大学総合研究博物館鉱物部門所蔵

福島県東白川郡鮫川村発地岡にあった発地岡鉱山では、かつて珪灰石を採掘していた。スカルンと呼ばれる鉱床で、石灰岩に花崗岩が貫入した際の熱変成作用によってできたものである。この標本は、2002年11月に地主の方の許可を得て入山・採集したもので、数センチメートルに達する灰礬柘榴石と緑簾石がきれいな結晶面を見せている。(三河内岳)



 
ならはスカイアリーナ B03
筒形土器

展示期間:2025.7.25-
展示場所:ならはスカイアリーナ
平安時代前期(9世紀後葉から末葉)/楢葉町赤粉遺跡(下繁岡)1号住居跡カマド附近出土/土師器/楢葉町歴史資料館所蔵

筒形土器は、その名のとおり口径と底径がほぼ同じ円筒形を成し、製塩工程の最終段階に用いられたと考えられている。本資料は、住居跡で検出されており、焼き塩づくりが集落内作業であったことを傍証している。また、赤粉遺跡のように完形もしくはそれに近い資料が多量に出土した例は稀なこともあって、『倭名類聚抄』の「楢葉郷」の比定問題を絡めた律令体制下における楢葉地域の様相に関して重要な示唆を与えてくれる資料である。(坂本和也)
 



道の駅ならは A02
ストロマトライト
展示期間:2025.1.22-2025.7.25
展示場所:道の駅ならは
先カンブリア紀/モロッコ ワルザザート/堆積構造/東京大学総合研究博物館地史古生物部門所蔵

ストロマトライトは、層状に発達した藍藻(シアノバクテリア)のマットの上に堆積物の粒子が繰り返し積もり固まってできる。展示標本の表面には成長の過程が同心円状の模様として残されている。藍藻類は、先カンブリア紀に出現し、光合成により酸素を放出し、地球上の酸素濃度を増大させた。かつては大繁栄していたが、ストロマトライトを食べる動物の出現により減少し、現在では高塩分等の特殊な環境にしか見られない。(佐々木猛智)



 
ならはスカイアリーナ B02
紅柱石

展示期間:2025.1.22-2025.7.25
展示場所:ならはスカイアリーナ
中生代白亜紀/福島県須賀川市狸森/鉱物標本(若林標本 WK No. 1880)/東京大学総合研究博物館鉱物部門所蔵

紅柱石の巨晶を含むペグマタイト(巨晶花崗岩)で、日本三大鉱物標本のひとつの若林標本に属する試料。今から100年ほど前に現在の福島空港付近で採集された。阿武隈山地の北部には花崗岩が広く分布しており、石川町などでペグマタイトの産出が有名。この産地の南東部には変成岩も分布し、都城秋穂(1920-2008)が東大時代にくわしい研究を行い、プレートテクトニクス理論に繋がる発見をした。(三河内岳)
 



道の駅ならは A01
紅柱石

展示期間:2024.7.20-2025.1.22
展示場所:道の駅ならは
中生代白亜紀/福島県須賀川市狸森/鉱物標本(若林標本 WK No. 1880)/東京大学総合研究博物館鉱物部門所蔵

紅柱石の巨晶を含むペグマタイト(巨晶花崗岩)で、日本三大鉱物標本のひとつの若林標本に属する試料。今から100年ほど前に現在の福島空港付近で採集された。阿武隈山地の北部には花崗岩が広く分布しており、石川町などでペグマタイトの産出が有名。この産地の南東部には変成岩も分布し、都城秋穂(1920-2008)が東大時代にくわしい研究を行い、プレートテクトニクス理論に繋がる発見をした。(三河内岳)
 

ならはスカイアリーナ B01
ストロマトライト
展示期間:2024.7.20-2025.1.22
展示場所:ならはスカイアリーナ
先カンブリア紀/モロッコ ワルザザート/堆積構造/東京大学総合研究博物館地史古生物部門所蔵

ストロマトライトは、層状に発達した藍藻(シアノバクテリア)のマットの上に堆積物の粒子が繰り返し積もり固まってできる。展示標本の表面には成長の過程が同心円状の模様として残されている。藍藻類は、先カンブリア紀に出現し、光合成により酸素を放出し、地球上の酸素濃度を増大させた。かつては大繁栄していたが、ストロマトライトを食べる動物の出現により減少し、現在では高塩分等の特殊な環境にしか見られない。(佐々木猛智)



 
     
     

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