東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
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『異星の踏査―「アポロ」から「はやぶさ」へ』展 記者発表のご案内過去のお知らせ

発表内容
10/20(土)から12/26(水)まで東京大学総合研究博物館では、人類の宇宙探査史の結晶とも言える、貴重な地球以外の天体の標本を展示します
―これまで人類は月とビルト彗星という2つの天体から標本を採取しましたが、この2つの天体の標本を、同時に展示いたします。
これは東大創立130周年記念事業の一部として行われる特別展示で、世界でも初めての企画となります。
月の標本は、アポロ17号の宇宙飛行士が採取した「月の石」。もうひとつは、昨年米航空宇宙局(NASA)が行った「スターダスト」という
探査計画によって 取得したビルト第二彗星と呼ばれる彗星の標本です。これは日本で初公開です。
展示ではさらに、NASAや宇宙航空研究開発機構(JAXA)などがこれまでに取得した火星や小惑星の膨大な量の探査データも、各国の宇宙機関と
共同研究している研究者による解説とともに、圧倒的な解像度で公開します。入場無料ですので、小学生から大人まで、「アポロ計画」に熱狂した人も、
「アポロ」が実は月に行っていなかったと信じる人も、楽しんでいただけると思います。

発表日時

2007年10月19日(金)14:00〜15:00  
発表場所
東京大学総合研究博物館
文京区本郷7-3-1 東大本郷キャンパス内
大江戸線/丸の内線本郷三丁目駅徒歩1〜4分  地図
発表者
西野嘉章教授(東大総合研究博物館)
宮本英昭准教授(東大総合研究博物館)
橘省吾助教(東大大学院理学系研究科)
お問合せ先
宮本英昭准教授(東大総合研究博物館)
Mail: hm(a)um.u-tokyo.ac.jp  (a)を@に書きかえてください
Tel/Fax: 03-5841-2830
(お問い合わせは、何時でも承ります)
備考:資料は別途用意し、記者会見当日にお配りします。写真撮影は自由です。こちらで高精度の写真も用意してあります。
ご希望の方には、電子的にお送り致します。
『異星の踏査―「アポロ」から「はやぶさ」へ』展 ホームページ 

Q. 大変に貴重なイベントというのは本当ですか?
A. 人類がこれまで直接手にした地球以外の標本は、月と彗星(ビルト第二彗星)の2つしかありません。この両方の標本が同時に一般に公開されるという、世界初の展示会です。さらに各国の探査機の膨大なデータを公開するため、人類の惑星探査の歴史と成果を、一度に概観できます。

Q. ビルト第二彗星とは何ですか?今までにどれくらい公開されているのですか?
A. NASAが昨年、スターダスト計画で標本採取に成功した天体です。この標本は、実はNASAのある米国でも、ほとんど一般には公開されていません。

Q. なぜビルド第二彗星や月の標本を、先駆けて公開できるのですか?
A. 東大にはこうした研究を行っている科学者が何人も在籍していることと、大学博物館の特殊性です。教育目的に限り無料で公開するからこそ、こうした貴重な資料をNASAから借り受けて公開できるのです。

Q. ビルト第2彗星を調べると、何がわかるのですか?
A. 彗星は月よりももっと古い太陽系の原材料物質であると考えられてきましたが、揮発性成分に富むために、直接サンプルしない限りわかりませんでした。今回の成功で、彗星は予想されたとおり太陽や惑星の原材料物質であることがわかりました。

Q. アポロの月の石も展示するそうですが、科学的意義と価値はどれほどですか?
A. アポロの標本は、同位体による年代測定や詳しい鉱物組成の研究が行えるので重要です。こうした研究により月の成り立ちがわかってきただけでなく、まだ標本が採取されていない火星や金星の研究をする時に、月と比較した研究が行えるようになってきました。ちなみに1グラムあたり数百万円〜数千万円と言われています。

Q. 展示されるアポロの石はどういうものですか?
A. アポロ17号で地質学者ジャック・シュミットが採取した、「月の海」のサンプルで、120gあります。玄武岩という岩ですが、地球の同じ種類の石では考えられないほど真っ黒の色をしています。

Q. 他の展示物はどのようなものですか?
A. 「はやぶさ」探査機や火星探査車、土星探査機など、JAXAやNASAなど各国の探査機が撮影した膨大な画像を圧倒的な高解像度で公開します。特に火星の地表面の姿を大型プロジェクターで映しだすさまは、まるで自分が火星に居るような気分にさせてくれるでしょう。また硫酸やメタンの雨が降る天体、温泉が噴き出す天体、いびつで奇天烈な形の天体など、見るだけでも驚きの太陽系の姿をご覧になれます。

Q. 展示期間等について詳しく教えてください
A. 期間:2007年10月20日(金)〜12月26日(水)ただし月曜休館
場所:東京大学総合研究博物館(本郷三丁目駅徒歩1分)
備考:入場料無料・お申込みも一切不要・写真撮影も可。