東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo

特別展示
東京大学・若林鉱物標本:日本の鉱山黄金時代の投影
展示企画:三河内 岳(東京大学総合研究博物館・教授)・清田 馨(東京大学総合研究博物館・キュラトリアルワーク推進員)
展示デザイン:洪 恒夫(東京大学総合研究博物館・特任教授)・関岡 裕之(東京大学総合研究博物館・特任准教授)

明治時代初期から蓄積されてきた数万点に及ぶ当館の鉱物標本だが、「若林標本」と呼ばれる標本群が基幹の一つとなっている。三菱合資会社の鉱山技師であった若林彌一郎(わかばやし やいちろう)の名前を冠した、明治末〜昭和初期の金属鉱山の鉱石標本を中心として収集した2,000点あまりの標本群で、和田標本(三菱マテリアル)、高標本(九州大学)と並ぶ、日本の三大鉱物標本の一つに数えられている。これまでは全貌が未公開であった若林標本であるが、今回の特別展では、全体のおよそ半数である約900点を選び、当館が収蔵するその他の鉱物コレクションと合わせて展示することで、日本の鉱山黄金時代を回顧する試みとした。特に、若林標本の展示コーナーは、昭和期の標本展示室の雰囲気を再現し、床下にも数百点の標本を配した異質な空間となっている。ほとんどの標本に言えることは、採集元の鉱山はすべて閉山して久しいことである。つまり、これらの標本は、日本各地で輝いていた鉱山黄金時代の投影なのである。鉱物研究には、古き良き時代だった往時に想いを馳せて、これらの美しい鉱物結晶をご覧になっていただきたい。


会期:2023年3月23日[木]から9月1日[金]
休館日:開館カレンダーを参照ください
時間:10:00より17:00まで(入館は16:30まで)
会場:東京大学総合研究博物館(東京大学本郷キャンパス内)東京都文京区本郷7-3-1
 丸ノ内線「本郷三丁目」駅より徒歩6分・大江戸線「本郷三丁目」駅より徒歩3分
地図:http://www.um.u-tokyo.ac.jp/information/map.html
展示チラシ:http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2023wakabayashi_flyer.pdf
主催:東京大学総合研究博物館
協賛:AGC株式会社
入場料:無料


主な展示物
・三角式黄銅鉱(秋田県荒川鉱山)
・ベゼリ石(秋田県日三市鉱山)
・青鉛鉱(秋田県亀山盛鉱山)
・孔雀石(秋田県阿仁鉱山)
・閃亜鉛鉱(秋田県尾去沢鉱山)
・方鉛鉱(岐阜県神岡鉱山)
・蛍石(兵庫県生野鉱山)
・輝安鉱(愛媛県市ノ川鉱山)