研究概要 |
本研究室は運動機構のマクロ解剖解析、標本形状の三次元データ蓄積と解析、形態変異論の定量的議論をテーマに掲げ、自然史学、比較解剖学、古生物学、画像解析学などを集合させ、統合と継承を重んじる科学哲学を旨としています。 一方、家畜化をリベラルアーツとして研究し、人間と家畜の関係を議論しています。
また、動物遺体の無目的無制限収集を重ね、遺体から真実を解き明かし、遺体を未来に引き継いで、人類の知に貢献することを目指しています。
哺乳類の運動機構の三次元機能形態学 |
伝統的な比較解剖学と最新の三次元コンピュータ解析技術・数理統計解析を組み合わせて、四肢の把握機能や走行機能、頭部における咀嚼機能の進化の謎に迫ります。 |
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アジア・アフリカ産哺乳類・鳥類の地理的形態変異と適応戦略 |
アジア、アフリカにおいて動物たちは驚異的な多様化を遂げてきました。どのような生態的適応戦略のもとに動物たちは多様化してきたのかを研究しています。ベトナム、ラオス、タイ、マダガスカル、西アフリカなどで重点的な研究を行っています。 |
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家畜化とHuman Animal Bondの総合学融合調査 |
家畜化と品種創生の過程を、アジア・インド洋圏と南・中欧を舞台にリベラルアーツとして研究しています。マクロ機能形態学による家畜集団の表現型の探索から、民俗学、文化人類学、農村社会学、生態人類学、民族学などを総合的に駆使したdomesticationモデルの構築を進めています。飼育・育種動機の解明に基づいて、人間と動物が近接融合する局面を、命を見る人間社会という観点から論じます。 |
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遺体科学の科学哲学構築 |
西欧ではナチュラルヒストリーの系譜に解剖学という体系が育てられました。対照的に日本では解剖学の発展が乏しく動物の遺体を研究するという姿勢が確立されませんでした。しかし、当研究室の発想は違います。私たちは大量に遺体を収集し、遺体に謎を問い、遺体から新しい真実を発見します。そして、遺体を標本として未来へ引継ぎ、人類の知に貢献します。解剖学の範疇を超えて、ここに、新しい学問体系として「遺体科学」の始まりを宣言します。 |
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