東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
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各 位

平成29年度「学芸員専修コース」の開催について

 拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
 東京大学総合研究博物館は、平成5年度以来毎年秋に「学芸員専修コース」を開催し、これまで相当数のコース修了者を送り出して参りました。
 本専修コースは、国内の博物館及び博物館相当施設で働く専門職員を主な対象とするものです。本専修コースは、大学等の高等研究機関で生まれる新しい研究の成果を広く紹介し、それをもって自然史・文化史の枠を超えた、文字通り博物学的な「博物館学」を、博物館資料の収集や管理、資料活用や展示設計に関わる「実践的な知」と併せて習得させる専門的リカレント教育の場として企図されています。
 つきましては、同封の平成29年度募集要項をご検討頂き、貴機関の関係各位に周知のうえ、併せて参加をお奨め頂ければ幸甚に存じます。 敬  具

平成29年5月
学総合研究博物館

諏訪 元


平成29年度「学芸員専修コース」研修生募集要項

テーマ:音・サウンドスケープ

1.概要
中世、西洋において楽譜が発明されて音楽の視覚化が始まった。視覚化は、一過性の音をメディアに定着可能とし、発展系として現代では、レコード、CD、デジタル技術などに形を変えたとすれば、その広がりは驚異的である。現代人は、音の本質である一過性を排除され、結果、音を聴くことができなくなってしまった。ジョン・ケージの休符のみからなる「楽譜」の作品『4’33’’』は 、そのような我々に対するアイロニーなのだ。
実は博物館は、音の問題と表裏一体となっている。多くの剥製や骨格標本は死者たちであり、展示された民俗史料はその文化の終焉を意味する。ある意味 in vitro な違和感が博物館の存在意義である。
本コースでは、サウンド・スケープの概念や、様々な自然界の音の体験についての講義、また、音の採取の実践的な方法を習得し、実際に参加者自身で録音を行い、博物館の中で音の利用を考え、実際に音を使った展示も試みる。サウンド・スケープを通じて、博物館と一過性の問題を改めて意識する機会となればと考えている。

2.実施期間及び場所
  期間:平成29年11月13日(月)〜平成29年11月17日(金)
  場所:東京大学総合研究博物館 本館3階第一演習室
     (〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1)

3. 担当教員
  森 洋久(東京大学総合研究博物館・准教授) 
  E-mail:joshua30@um.u-tokyo.ac.jp  
  ※ 応募手続関係のお問い合せは9項の連絡先にお願いします。

4.募集人員
  16 名

5.募集期間
  平成29年6月1日(木)〜平成29年9月29日(金)
  ※ 応募は郵送によること(必着)。

6.応募資格
  博物館、美術館、資料館、埋蔵文化財センター等の施設で、学芸員として直接業務に携わる者又はそれに準ずる者。

7.受講料
  10,000 円

8.応募方法
  次の書類を郵送すること(申し込みは郵送に限る)。
  イ.所定の受講申込書(必要事項を記入すること)
  ロ.所定の所属機関長もしくは指導教員の推薦同意書
  ハ.A4サイズの返信用封筒(宛名を記入し、140円切手を貼付のこと

9.応募先
  東京大学総合研究博物館「学芸員専修コース」実施委員会
  〒113−0033 東京都文京区本郷7−3−1
  電話:03-5841-2802 FAX:03-5841-8451

10.選考結果の通知
  東京大学総合研究博物館「学芸員専修コース」実施委員会において選考のうえ
  受講の可否を決定し、10月上旬までに各応募者に通知する。

11.その他
 ・録音の経験の有無は問いませんが、学ぶ姿勢として、この方面に普段から深い好奇心のある人にお勧めする内容です。
 ・受講者には、以下のレポートを提出していただきます。(3項の担当教員に)
  (1) 以下の2つを主題に論じていただきたい。専修コース開始前に電子メールで提出。
    @音やサウンドスケープに対する関心や思い。
    A音やサウンドスケープを博物館活動に生かしていく方法、アイディアなど。
  (2) コースを受講した感想等について、専修コース終了後に電子メールで提出。
 ※ (1)、(2)ともに提出時期・形式等は別途指示します。
 ・本行事につきましては、東京大学総合研究博物館ホームページにて下記を参考にしてください。
  教育活動欄の学芸員専修コース内にある「過去の学芸員専修コース一覧」
  http://www.um.u-tokyo.ac.jp/education/PCC_past.html
 ・全日程終了後、受講者には「学芸員専修コース修了証書」が授与されます。
 ・宿泊場所は受講者が各自で手配して下さい。   

 ※なお、この募集要項は東京大学総合研究博物館のホームページでご覧いただけます。
  http://www.um.u-tokyo.ac.jp/education/curator.html


平成29年度「学芸員専修コース」日程

テーマ:音・サウンドスケープ

月 日

時 間

内       容

講     師

11/13(月)
本館
第一演習室

 

10:00−10:20

オリエンテーション

 

10:30−12:00

 レクチャー
 楽譜と音とサウンドスケープ

森 洋久
 東京大学総合研究博物館
 准教授(情報工学・科学技術史)

13:00−15:30

 ディスカッション・タイム
 各自自己紹介と音にまつわる
 ディスカッション

森 洋久

15:50−17:20

 レクチャー
ヴァンダーカンマーと音(仮)

小宮 正安
 横浜国立大学教育人間科学部
 教授(ヨーロッパ文化史)

11/14(火)
本館
第一演習室

 

10:30−12:00

レクチャー
 音の理論 音響学的視点から

 森 洋久

 

13:00−15:30

 実践
録音機材と取り扱い方
環境音を採ってみる(野外)

 森 洋久

 

15:50−17:20

レクチャー
録音の現場から(仮)

池田 和生
 元KBS京都放送ディレクター

11/15(水)
本館
第一演習室

 

10:30−12:00

空間デザインと音(仮)

花村 周寛
 大阪府立大学
 准教授(空間デザイン)

13:30−15:30

ディスカッション・タイム
 折り返し地点として、
ここまでの感想とこれから
成果発表会で何をやるかを議論

 森 洋久

15:50−17:20

 考古学にみる音(仮)

 西秋 良宏
 東京大学総合研究博物館
 教授(先史考古学)

11/16(木)
本館
第一演習室

 

10:30−12:00

博物館と演劇と音(仮)

寺田 鮎美
 東京大学総合研究博物館
 インターメディアテク寄付研究部門
 特任准教授(文化政策・博物館論)

13:30−15:30

実践
 環境音を採ってみる(屋内)

森 洋久

15:50−17:20

動物と音(仮)

佐々木 猛智
 東京大学総合研究博物館
 准教授(動物学・古生物学)

11/17(金)
本館
第一演習室

 

10:30−12:00

情報デザインと音(仮)

齋藤 俊文
 コピーライター
 齋藤オフィス
 九州大学芸術工学研究院
 デザインストラテジー部門准教授

13:30−17:20

サウンド・スケープ成果発表会

森 洋久

17:50−19:00

修了証書授与式、懇親会

 

※講師・内容・時間帯については都合により変更になることがあります。
※この募集要項は東京大学総合研究博物館のホームページでご覧いただけます。

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