東京大学総合研究博物館・部局紹介

総合研究博物館は、東京大学における大学博物館としての機能を担っている東京大学の一部局である。即ち、大学で遂行される学問の体系に則って収集された多様で膨大な学術標本コレクションを保存・管理する施設であり、また、学術標本に新しい学問的価値を付与して、そこから新たな学問体系を生み出すための研究・教育の支援施設であり、さらに、先端的な知と情報を創出・発信する戦略的な施設でもある。この目的を達成するために、総合研究博物館には研究部と資料部が設置されている。

研究部は三つの研究系からなり、各々に「基層」、「融合」、「循環」なる性格付けがなされている。

  1. キュラトリアル・ワーク研究系

    学術標本の収集・整理・保全の業務を担う研究系で博物館の活動の「基層」をなす。

  2. 博物資源開発研究系

    蓄積された学術標本の有効利用と再活用を図る研究系で博物館における「融合」研究を推進する。

  3. 博物情報メディア研究系

    学内の研究・教育の成果を情報化して展示公開に結びつけ、社会に対して学術研究の成果を広く「循環」させる。

大学博物館にとってこれらの3研究系は、存在の基軸であり、いずれを欠いても大学博物館は成り立たず、また相互の緊密な連携が欠けると大学博物館の目指す目的が達成されない。

資料部は、

[地学系]
鉱物、岩石・鉱床、鉱山、地史古生物、地理
[生物系]
植物、森林植物、薬学、動物、水産動物、人類・先史、医学
[文化史系]
考古、建築史、考古美術(西アジア)、美術史、文化人類

の17部門からなり、自然史と文化史を中心とする240万点を超える学術標本を収蔵する。資料部は、それぞれの専門性に基づいて学術標本の研究・教育上の価値を恒常的に保つために、学術標本の体系的分類、標本固有の整理・保全のための専門的な作業を研究部と緊密な連携を保って遂行している。