東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo
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  7年ぶりに総合研究博物館に戻ってきました。その間に博物館は、小石川植物園に分館を設け、本館にミュージアム・テクノロジー寄付研究部門を設置するなど、ますます総合研究博物館としての形と内容を整えてきました。これらの発展は、川口昭彦元館長、高橋進前館長をはじめとする本館教職員の尽力の成果であることは言うまでもありませんが、なによりも博物学の発展にご理解を示された学内外からのご支援の賜物です。こころから御礼申し上げます。
 わたしが初代の総合研究博物館館長に就任したのは、資料館から博物館へと発展的改組を遂げた十年前の1996年でした。青柳正規前総合資料館館長から引継ぎを受けたのは、 1)国立大学で初めて博物館へ改組された本館は、他大学の資料館改組を積極的に支援する、 2)吉川弘之総長(当時)は、翌年の1997年に東京大学創立120周年記念事業を構想しておられ、実行するとなれば本館が実務部隊として働くことになる、3)本館は、実験展示を行う研究博物館として、まずデジタルミュージアム構想を具体化する、 の3点でした。
  そこで、次年度に改組が予定されていた京都大学資料館と連絡を取り合い、国立大学博物館等協議会を設立することによって1)を実現することにし、また2)と3)を同時に実現させるために、本館の教職員が総力を挙げて120周年記念事業とデジタルミュージアム構想に取り組むことにしました。今から思えば、あまりにも時間的な余裕がなく多少の混乱も生じましたが、結果的には成功裏に博物館をスタートさせることができました。
 最近公開された「Systema naturae−標本は語る」や「アフリカの骨・縄文の骨−遥かラミダスを望む」は、資料館から博物館への改組10年の集大成ともいえる展示ですが、さらに10年後の2016年にはどのような展示が公開されているのか。それを楽しみにして頂けるような発展を博物館が遂げることができるよう、総合研究博物館の教職員一同頑張りたいと存じますので、皆様の温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。                                           
東京大学総合研究博物館館長
                                                                         林 良博