
惑星探査技術の進歩により、太陽系の天体に探査機を送り込んで調査することが
可能となった。火星探査車は砂だらけの火星表面を走り回り、小惑星探査機は、
弾丸を使って岩石を破砕し岩石サンプルを収集した。人類は、こうした太陽系の
直接探査を通じて地球外の天体に関する情報を猛烈な勢いで獲得している。太陽
系科学は、革命的な発展を遂げていると言って良い。

私たちの研究室では、太陽系探査に直接関連した、以下の2つの方向性の研究を
推進している。1つ目は、探査データの解析である。特に天体の表層環境に関す
る研究に重点を置いており、主に固体天体表層地形の解析を通じて、地球表層環
境の持つ普遍性と特異性を明らかにするという、比較惑星学(特に惑星地質学)
分野の研究を行っている。「人類が地球に誕生した事に必然性が存在するか」と
いうアストロバイオロジーの大問題に、惑星探査データの解析から迫ろうとして
いるとも言える。

2つ目は、惑星探査計画への参画である。これまで火星探査機「のぞみ」や小惑
星「はやぶさ」、月探査機「SELENE」などの固体惑星探査プロジェクトにおいて
微力を尽くしてきたが、現在は次期小惑星探査計画や月探査計画に参加すると共
に、火星着陸機を中心とした複合探査計画を推進している。