東京大学総合研究博物館 The University Museum, The University of Tokyo
東京大学 The University of Tokyo
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日仏修好通商条約締結150周年記念特別展示
「維新とフランス――日仏学術交流の黎明」展

 本年度は日本とフランスの交流が始まってから、150年の節目の年にあたります。交流の端緒を開いたのは、フランス皇帝ナポレオン三世でした。1858(安政5)年、皇帝の命を承け、グロ男爵に率いられたフランス使節団の航海船ラプラス号が来日します。仏国政府はただちに徳川幕府と修好通商条約を締結し、翌年には江戸の三田の済海寺境内にフランス公使館を設置し、デュシェーヌ・ド・ベルクールを初代公使として派遣しています。以来、両国の関係は様々な事跡を重ねながら、途絶えることなく、150年間に亘って維持されてきました。

 わたくしども総合研究博物館は、本年度が日仏交流150周年を記念する「フランス年」に当たることを鑑み、幕末から明治初期にかけての日仏交流の歩みを紹介する特別展示「維新とフランス――日仏学術交流の黎明」展を開催する運びとなりました。

 日仏両国の交流については、これまでにも多くの展覧会が催されてきました。しかし、それらの大方は文化や芸術を中心とするもので、交流の黎明期における諸学の交流に焦点を当てた企画展は試みられたためしがありません。とはいえ、東京大学の所蔵する学術遺産のなかには、日仏両国が学術レベルでの交流においても特段の関わりを有していたことを実証する学術資料が多数見いだされます。本展は、南仏サロン・ド・プロヴァンスのアンペリ博物館とパリの国立自然史博物館の両館、さらにはフランスの個人コレクションから、幕末・明治初期の稀少なコレクションの里帰りを図ると同時に、当時の一次史料のコレクションとして質・量ともに比類ない「クリスティアン・ポラック・コレクション」の本邦初の公開を実現することで、これまで顧みられる機会の少なかった日仏学術交流の一側面を紹介するものです。

主要展示品

■フランスからの里帰り品
−デシャルム文庫
  (南仏サロン・ド・プロヴァンスのアンペリ博物館蔵の第一次および第二次軍事顧問団騎兵科教官レオン・デシャルム遺品)
−ビュラン文庫(遺族ジョルジュ・ド・リュスネー氏蔵の第二猟騎兵連隊少尉シャルル・ビュラン遺品)
−サヴァティエ文庫(遺族ミシェル・サヴァティエ氏蔵の海軍軍医リュドヴィク・サヴァティエ遺品)
−サヴァティエ標本(パリ国立自然史博物館蔵のリュドヴィク・サヴァティエ日本産植物標本)
−徳川幕府パリ万博出品標本(パリ国立自然史博物館蔵の田中芳男採集「昆虫」標本)

■クリスティアン・ポラック・コレクション
−シャノワーヌ文庫(クリスティアン・ポラック氏蔵の第一次軍事顧問団団長/パリ司令部付大尉シャルル・シャノワーヌ遺品)
−日仏交流関係資料一揃い(書簡、写真、書籍等)

■東京大学コレクション
−文久三(一八六三)年徳川幕府遣仏使節関係資料(三宅一族旧蔵)
−慶応三(一八六七)年パリ万国博覧会関係資料(田中芳男旧蔵)
−サヴァティエ標本(総合研究博物館蔵のリュドヴィク・サヴァティエ寄贈ヨーロッパ産植物標本)
−エジプト・ミイラ他医学資料(東京帝国大学医科大学旧蔵)


出版物

本展にあわせて、『維新とフランス――日仏学術交流の黎明』(西野嘉章、クリスティアン・ポラック著)が刊行される予定です。
詳しくは今後、刊行物案内でお知らせします。


展示基本情報

展示会期: 2009年3月28日(土)−5月31日(日)
開催場所: 東京大学総合研究博物館 東京都文京区本郷7−3−1東京大学本郷キャンパス内  アクセス/地図
開館時間: 10:00−17:00 (入場は16:30まで)
休館日: 月曜 (祝日の場合は翌火曜)
入館料: 無料
主催: 東京大学総合研究博物館
協賛: フランス大使館、財団法人日仏会館、東京日仏学院(IFJT)、日仏経済交流会(Paris Club)、株式会社セリク(SERIC)

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